凄まじき「原発への執念」

 まさに今の世は「物事を決めるのは『善悪』ではなく『執念』である」の時代です。とても残念です。。。新聞やテレビに出てこない、原発推進派のひそかで卑劣な巻き返しには、凄まじき執念を感じます。

 かつての米国大統領選のとき、フロリダで(まちがいなく堂々と)イカサマが行われたようです。

 大統領選後、日本のある政治評論家はこんなことを語っていました。

 「ゴアがブッシュに敗れたのは(投票の)イカサマのせいではない。ゴアはブッシュの(どんなことをしても勝ちたいという)執念に負けたのだ」

 まさにそれと同じようなことが今日本で起こっています。

 その時のゴアに当たるのは「脱原発派」、ブッシュに当たるのは「原発推進派」です。(実際のゴアは原発推進派のようですが)

 より国民の支持を集めていた「脱原発」なのに、臆面もなくつぎつぎと「原発維持」へ戻していく政界。それを陰であやつる経済界。。。

 このままでは彼ら「原発屋」の「執念」に負けてしまいそうです。

 この記事を読めば誰でもそう思うでしょう。

 →【原発再稼働】 滋賀県知事 「関西電力と国から脅された」
 

 このような情報はネット上にしかないので、新聞やテレビ、しかも原発推進を支持している新聞を取っている人は絶対に知る機会がないでしょう。

 こんなのもあります。

 →関電労組「署名撤回しろ」 原発再稼働で民主党議員を脅す

 政界や経営者層だけかと思いきや、労組も「原発推進」の脅迫です。

 立地地域は(かざらずに言えば)「同情するなら金をくれ」の開き直りです。

 これじゃ、金が絡んだ人間はすべて「原発応援団」に変わってしまいそう。。。

 何とも情けない。。。と、いってもしょうがないんですね。「聞く耳持たず」なわけですから。

 というのは「目先の金より貴いものは他になし」と、あえて思考停止し、自己欺瞞の「確信犯」になっているからです。

 さて、「脱原発」に対して次々繰り出してくる推進派による反撃のボディーブロー。

 さまざまな難癖を付けて「管おろし」、つぎは野田傀儡総理と福井知事の三文芝居「大飯の再稼働」、つぎに来たのはこれ。

朝日新聞2012.6.15

「40年廃炉」、骨抜きの恐れ

 3党の修正協議で最後までもつれたのは、「40年廃炉」の規定だ。

 政府案は原発の運転期間を原則40年に制限し、例外として20年までの延長を認める内容。これに、自民党は「40年たったものが劣化しているとは断じがたい」と強硬に反対した。

 政権は「脱原発依存」の旗印として「40年廃炉」にこだわる。ただ、政府案にも5年後にすべての安全規制を見直す規定はあった。自民党に配慮し、見直し規定は「速やかに」と修正。規制委発足直後に「骨抜き」にされる余地を残したのだ。

 うわっ!これじゃ以前と何も変わらないじゃないか!

 いったい、性能高き「肉食系原発推進エリート軍団」に、平凡な「草食系脱原発土着民」はどのように抵抗していったらよいのでしょうか?

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 さらに、私たちの目や耳であるべきマスコミは今とても変です。

 大飯原発再稼働反対で、首相官邸前に一万人も集まったことがどうして報道されないのでしょう。

 →再稼働反対11000人の抗議を報道せず。市民の声を無視するマスコミに不信感

 それにしても変です。あの脱原発路線の「朝日」にすら一行も載らなかったんですから。。。

 ましてや経団連業界紙化した某新聞、某保守政党機関誌化した某新聞については言わずもがなです。

 思い起こせばもうひとつ、どうして福島第一原発4号機の極めて危険な状況が一年以上も報道されなかったのでしょう?

 異様な報道管制と報道自粛を感じます。このままでは情報難民が増えるのではないでしょうか?

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 それと昨日の新聞だったかな?

 →原発廃炉なら4社債務超過損失計4兆円超経産省試算.docx 直

 「赤字どころじゃないんです。。。債務超過、破産なんです。。。これじゃ廃炉にできないでしょう、現実的に」と国民を納得させようとしているような記事です。

 安全よりも貸借対照表の数字が大事なのか、なんのための経理なのか?本末転倒を感じます。

 さらに、もともとこの資産計上自体がイカサマといえるもののようです。使用済み核燃料が核燃料サイクルの原料として資産計上されているんですから。

→原発-21世紀の不良資産 原子力への投資と東京電力福島第一原発事故

 いつかは正さなければいけなかった「現実的な超不良資産」を計上していたんではないですか?

 こんな情報も、ネット、しかも興味を持つ人だけがたどり着ける情報で、新聞やテレビなどマスコミに出ない限り、ほとんどだ〜〜れも知ることはありません。

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 毎朝読む新聞に、原発関連の大きな見出しがないと、こんなブログを書いている私でさえ関心が薄らぎます。

 原発推進のメディアだけを閲覧している人がかなり多い、ということも大きな問題ではないでしょうか?

 ずっと以前のこんな体験を思い出しました。

 居酒屋でラジオの野球中継を流していたんです。

 ところが、アナウンサーと解説者が巨人軍のことしか喋らないので、いったいこのとき、巨人軍はどのチームと対戦していたのか最後まで分からなかったんです!

 なんかそれと同じように、一方的な情報しか得ていない人がまだまだ多いんだろうな、と感じます。

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 同じようなことを思い出しました。イラク戦争の時、日本の各新聞はそれぞれ、いかに報道内容や取り扱いが異なっていたかということです。

 あの頃中立な立場に立っていたフィンランドの高校では、このような授業が行われたそうです。

 それは、生徒たちに様々な新聞での「イラク戦争」の取り扱い、記事内容について調べさせ、それを日々対比して、みなに話し合わせたそうです。

 そこで生徒たちが自ずと知ることになり、そしてびっくりしたことは、マスコミの報道がそれぞれいかに異なっているかということ、それに私たちがいかに大きな影響を受けているかということでした。

 私たちは心せねばなりません。

 原発推進あるいは維持を支持している人たちが、反対の詳しい理由を書いた記事を読んだことはない、原発の問題点や危険性について自らはほとんど考えたこともない、ということを。

 そして、それはたぶんエライ人たちも同様だということです。だれもイヤな記事は読みたくないのです。私だって。

 さて、どうしたらいいんでしょうか?

 この「見ざる」「聞かざる」「言わざる」の私たちの習性。。。

 悩みます。。。