ついくちずさむ「カントリー」

 『マーサの幸せレシピ』という映画が好きで、今までに3回も観ました。ハッピーエンドで流れる曲はキース・ジャレットの『カントリー』という曲。高原をドライブした快晴の昨日、ついくちずさんでいました。
 自宅から1時間ちょっと走ると宮城と岩手の県境です。

 わが家のルーツは岩手県平泉にあるらしく、その後江戸時代に、県境に近い石越に移住したらしいんです。

 ずいぶん前に、父が石越のお寺の過去帳を調べてわかったことでした。

 鮭が生まれ育った川に戻るように、私たち人間にも帰巣本能があるようです。

 つい、無意識に車は北を向いてしまいます。

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 晴天の昨日、内陸部の田園地帯は稲刈り中。

 遠くで稲藁を焼く白煙がのんびりと空をめざし、窓を開けて走る車中には、煙の匂いもほのかに漂ってきます。

 ほとんど車が通らない私の憩いの道。

 つい『カントリー』のメロディーをくちづさんでいました。

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 この曲は7年前、長女の結婚式のオープニングにも使いました。

 ちなみに、お色直しはおじいさんと一緒に出て行く設定だったので曲は「大脱走」

 しめくくりは「デイドリーム」。忌野清志郎さんの曲でと思っていたのですが、歌詞を聞いていたら、なんと「彼女が逃げていった。。」という内容!

 思わず、本家モンキーズの(英語の)曲にした思い出があります。

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 さて、私の隠れレストランは高原にぽっつりと建つホテル。

 ど田舎なのに、感じがよいマナーで、気取らないおいしい食事を出してくれるレストランがあります。

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 こんな牧歌的なドライブをしながら、実は、ふと心が重くなることがあるんです。

 それは、福島原発事故で、この地域には高濃度の放射性物質が飛散したということです。

 風の流れのせいで遠く離れたこのへんがけっこう影響を受けたのでした。

 今は放射性物質も少なくなったことでしょうが、決して消滅したわけではないので、きっと風や水の流れに乗って別な地域や海へと拡散していったことでしょう。

 このような牧歌的な風景を一瞬にして損なってしまうことを、なぜしなければいけない、と私たちは考えるのだろうか?

 私たちの「すり込まれた思考」について考えさせられます。。。