「選挙が町にやってくる♪」甘〜い公約、おいしそうな政策、きれいなお飾り、カッコつけポスター、元気そうなコピー。なんか(猛獣)サーカスが町にやってくるみたいだな。
ノボ辞典より
election【選挙】名
「選挙」とは民衆という弱き子どもが、つかの間、「政治家」という猛獣の主人になれるときである。
子どもの弱さと猛獣の強さは相互に関連している。
民衆(の自分頭)が弱いとき政治家は強くなり、民衆(の自分頭)が強いとき政治家は弱くなる。
というか、政治家は必要上そのように見せている。
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民衆と政治家は深い依存関係にある。
民衆は子どもと同じで、「わがまま」をし放題のくせに、常に親の庇護を求めている。
やくざと、みかじめ料を払っている飲食店の関係とも多少似ているところがある。
「防衛力強化」を売り物にする政治家は常に人気がある、ということがそのいい例だ。
民衆は「手間なし人任せ」と「強い用心棒」がもっとも好きなのだ。
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「政治家」という猛獣になるには、いくつかの条件がある。
これらの条件は、古代ローマ史をひもとくまでもなく、政治家イコール軍人の資質であることを物語っている。
まず、身体堅固であること
次に声が大きいこと
最後に単純なこと
単純でなければ、単純な理屈をとうとうと、声高に何度も絶叫できないからだ。
ことわざにも言う。
「無学者議論に負けず」と。
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さて「選挙」とは、何年かに一度、猛獣が「ごろにゃ〜ん」と民衆の前に腹を出して媚びを売るカーニバルである。「投票用紙」というカーニバルの招待券をもらった民衆は、どれを買おうか、どれで遊ぼうかと、つかの間のお祭りを愉しむ。
人気があるのは、「風格あるボス猿」「生きのいい若犬」、それと「血統書つきの豚」など。
カーニバルには「プロレス」「闘鶏」「闘牛」なんかがよく似合う。
選挙カーに鉢巻きという「剣闘士」たちが、町をコロッセウムのようにして雄叫びを上げる。
民衆は競馬新聞のように朝刊をにらみつけ、オッズを競う。
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「選挙」というカーニバルの後、民衆は酔いが覚める。
知らぬ間に、次々と有象無象ができていった。
知らぬ間に、壊滅してしまった。
農業も、田舎も。
知らぬ間に、孫たちは兵隊にとられてしまった。
見たこともない遠い国との戦争へ。
知らぬ間に、原発はみな動き始めてしまった。
たぶん、次の壊滅的事故が起こるまで。
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「こんなことまでやるとは思っていなかった」と言ったら、
政治家が笑って答える。
「あなたが選んで任せたんですよ。この私、この党に!」
民衆の一人はこう思った。
「選挙って、自爆装置のスイッチを自分で押すことだったのか。。。」
『ノボ辞典』目次
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ノボ辞典「デジタル」
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ノボ辞典「農」「農業」
ノボ辞典「経済」
ノボ辞典「憲法九条」
ノボ辞典「選挙」
ノボ辞典「反面教師」
ノボ辞典「必要悪」
ノボ辞典「愛国心」「愛国主義」
ノボ辞典「能力」「性能」