明日は憲法記念日。「憲法九条」とは、実は世界最強の防衛装置です。目に見えない「防御シールド」なのです。それを失くした日本の近未来を映画化しました。
この映画は、死後タイムトラベラーとなっていた「クロサワ」が、シナリオを霊界から伝送した未来ドキュメンタリーだったのです。それがドキュメンタリーだったことは残念ながら誰も知ることはできなかったのですが。。。
映画「あなたにロックオン!」
戦後70年、2015年5月3日憲法九条は国民投票の結果ついに葬られた。
皇居前では日の丸の小旗の乱舞。靖国神社では涙を流し敬礼をする黒山のような人々、満艦飾の街宣車の群れ。やがてカメラは総理や閣僚の満面の笑みあるいは感無量の涙眼のアップ。
画面は新聞の一面大写しに変わる。そこには「強き日本、美しき日本の夜明け!」の特大文字が躍る。
映像はその後の世界情勢の急転を映していく。
緊張関係を増すアジア、中国および北朝鮮はいよいよ日中戦争、占領時代の屈辱を晴らそうと戦争辞さずの大方針を掲げることとなった。赤旗の群れ。経済交流は激減し日中双方困窮度を増すことになった。
共和党右派政権に代わったアメリカ、国防、外交にはあのおなじみのネオコンが復活した。それがきっかけとなり戦争状態に突入したイスラエルとイラン。世界のあちこちで紛争が勃発し、日本軍も雄々しく(アメリカの鉄砲玉として)兵士が派遣されている。正義感に燃える兵士のクローズアップ、そして相手側の憎しみに満ちた顔も。
遠き異国の地に派遣された日本軍若き兵士のアップ「私たちは世界平和のためにこうして命をかけて戦うことを誇りに思っています」日本軍の死者は数百人にも達し彼らは新英霊として靖国神社に厚く葬られている。
ネオコン戦略のもと、アメリカ・日本・韓国連合に核施設基地の先制攻撃を受けた北朝鮮。ついに最後の手段に出た。地下に温存してきた核ミサイルの発射、それと同時にかねて各国に潜伏させておいたテロリストの起動。日本と半戦闘状態にある中国はあえて止めなかった。
夜中、テレビの緊急ニュース画面「緊急速報です。北朝鮮から3分前に核ミサイルが発射されました。国民は近くの大きなコンクリートの建物に直ちに避難してください。ただいま我が国の防衛軍が迎撃を行っております」
実は知る人ぞ知っていた話だが、パトリオットは気休め迎撃ミサイルだった。
逃げまどう国民、子どもたちの不安な表情。ずっと遠くに大きく強い光が夜空を照らした!大都市に核ミサイルが命中したらしい。。。
やがて本当の悲劇がはじまる。
テレビの画像やパソコン、携帯が誤動作をはじめた。それが予兆のように大停電。そして隕石でも落ちたような大音響と空一面地獄のような輝き。。。そして静寂が訪れた。
北朝鮮と中東の某国はあるテロ計画を以前から準備していた。各国の原発を標的にする計画だった。日本はその最大の標的だった。もんじゅ、大飯、浜岡、女川、福島(またも!)それぞれの原発に対して、あまりにも原始的で予想だにしなかったテロが行われた。たとえば冷却用の海水が熱でゲル化してしまう薬品を魚を使って取水口に送り込んだり。。。強力な電磁波を発生させて電子機器を使えなくしたり、小型爆弾を仕込んだアリを大量に放したり。。。飲み水にサリンを混ぜたり。。。なんでもありだった。
一見すがすがしそうな朝日の映像。カメラはスパンして爆発をおこすもんじゅや各地の原発を映している。静かに抱き合う家族、放心状態の人々。あまりの放射能に救援隊すら近づけない。実に静かな『地獄』。。。カメラは静かにいつまでも黙示録をただ映し続けている。
戦争は終わった。いや終わらざるを得なかった。北朝鮮はアメリカ本土からの核ミサイル攻撃で消滅したからだ。同時に「日本国」も終わった。永久に人の住めない国土と化してしまったのだ。
子供たちの一部だけが宇宙人のような防護服を来た外国の救援ヘリコプターに乗せられた。親と離れることを悲しみ泣き出す子供たち。あまりの放射能で実に限られた人数しか救助はできないのだ。子供たちを見上げる大人たち。乗せられた子供達だけが唯一の「日本」の希望だった。しかし、その希望がかつての日本国土に芽を出すことはない、そのことをみんな知っていた。
現代の戦争は起きてしまえばこういうものなのだ。
葉が薄い表皮に守られているように、命も平和も決して堅く強いものではなく、薄く柔らかい一見頼りないもので守られている。いや瀬戸際でブレーキをかけられている。そのことに気づいたときにはもう遅かった。。。