「頑張って!」つい言ってしまいます。みんなそうだと思うんですが、辞書で調べると三つの意味があるらしい。これからは気楽に使えなくなってしまいました。。。
「頑張る」を電子辞書広辞苑で調べてみました。
頑張る<自五>
(「頑張る」は当て字。「我に張る」の転)
1.我意を張り通す。「まちがいないと頑張る」
2.どこまでも忍耐して努力する。「成功するまで頑張る」
3.ある場所を占めて動かない。「入口で頑張る」
あれあれ。。。あんまりいい意味でもないんじゃない?
これじゃ政治家に「頑張って!」なんて恐くて言えませんね。
「いいね!」できるのは2番目の「忍耐・努力」だけみたいです。
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さて、そんなことが頭の隅に残って読んだ先日の新聞。
「ドイツ」の頑張りについて書かれてあったんですが、これはいい「頑張る」じゃないかな〜と思いました。
朝日新聞 2013.8.7
独、頑固に倹約 道路・橋にガタ、でも修繕二の足
欧州で「緊縮財政を押しつけている」と批判されるドイツ。その倹約家ぶりは国内でも徹底していて、道路や橋にガタがきても政府は「安易に借金は増やせない」と修繕に二の足を踏む。他国に比べて財政はずっと健全なのに、なぜこうも頑固なのか。
■速度制限・通行禁止も
「ここの交通はもう完全に混乱している。永遠の工事現場という感じだ」
ドイツ西部レバークーゼン。自動車交通の大動脈「A1号線」がライン川を越える「ライン橋」の上で渋滞を眺めながら、タクシー運転手のマルティナさんはため息をついた。
「速度無制限」として世界に知られるドイツの高速道路「アウトバーン」。だが、ドイツで最も交通量が多いとされるA1号のライン橋は昨年11月末から速度が時速60キロに制限されている。3月までは重さ3・5トン以上の車は通行できなかった。橋に亀裂が見つかり、応急措置に追われているからだ。・・・
超高性能自動車社会ドイツで、アウトバーンが60キロ制限とはびっくりです。
よく我慢しているものです。なぜなのでしょう?
■「ばらまき」に不信
ドイツ政府の債務残高の対GDP(国内総生産)比率は、他国と比べると低い。にもかかわらず、国を挙げて「借金減らし」に向かっている。
9月の総選挙を前に、主要政党はインフラ整備への支出増をうたいはするが、大前提は「健全財政」だ。
財源として与党(キリスト教民主同盟など)が税収の自然増をあてにする一方、野党(社会民主党など)は増税すら訴える。新たな借金をしない「均衡財政」は当然で、野党は「健全化のペースが遅い」と批判する。
選挙前になると、政治家は「ばらまき」に走り、負担増を訴えることには及び腰になりがちだが、ドイツはちょっと違う。
キール世界経済研究所のイエンス・ボイゼンホーグレーフェ博士は「今のドイツでは選挙前に新たな支出を言い出す政党は国民に疑わしい目で見られる。『信頼できる財政政策』を持っているかどうか』が重要な選択の基準だ」と話す。
う〜〜ん、考えさせられます。政治家の信頼の証は「忍耐」「我慢」だというんですから。
日本では「イケイケドンドン」こそ政治家の証ですからね〜。
しかもドイツでは、政治家が勝手に大盤振る舞いできないように、法律を作って政治家を縛っているんですから。
国民を縛ろうとする改悪に羊のように従う私たちとは逆みたいです。
よっぽど、過去の反省をしっかりしているからなんでしょうね。
■敗戦後に国家財政破綻 恐怖の記憶、国民共有
なぜ、そこまでこだわるのか。
政治家や学者に尋ねると、最も多い答えは「法律で決まっているから」だ。
ドイツはリーマン・ショック後の09年、憲法にあたる基本法を改正し、「債務ブレーキ」条項を追加した。
連邦政府と州政府は原則として、借金なしで歳入と歳出を均衡させなければならない。災害時などに例外は認められるが、それでも連邦政府は16年からはGDPの0・35%(約90億ユーロ=約1兆1700億円)までしか借金することができない。
背景には、国民が共有する歴史的記憶がある。2度の大戦の敗戦で国家財政の破綻(はたん)を経験した。超インフレと通貨改革で紙幣や国債が紙切れになり、多くの国民が財産を失った。
ハンブルク大のカールウェルナー・ハンスマン教授によると、この恐怖の記憶は家庭と学校で世代を超えて受け継がれてきた。「国の借金は子や孫が負う借金」という意識も共有してきた。・・・
さて、下のグラフを見たら「ふ〜〜〜ん」なんて気楽にしていられなくなりますよ。