孫とタイムマシン作り

 年末年始は孫台風!小学校一年生の好奇心と想像力は実におそるべしです。ついにタイムマシン作りをするはめになりました。
 年末年始のブログレターです。

 久しぶりに、そう夏休み以来かな、孫とみっちり遊ばされました。

 小学校一年生のユウキと三歳のナオ。

 30日、二人はまるで季節はずれの台風のように、わが家に吹っ飛んできました!

 じいさん、ばあさんはうれしさ半分、気力体力の心配半分。。。

 ゆうべの忘年会の二日酔いなどなんのその、「エイヤ〜!」と孫にご対面です。

 じいさんはユウキと、ばあさんはナオとマンツーマンでお遊び開始です。

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 さてユウキの方は?

 春にユウキもまじって一緒に作った「ロケットストーブ」を出して、野外炊飯(インスタントラーメン)です。

  →ロケットストーブ作りました!


(左腕の透明ビニールはユウキの特殊な超手袋?らしい)

 畑に植えてある春菊や白菜の葉っぱをもいで一緒に混ぜて食べました。

 やはり、小さい頃からこんなワイルドライフを経験させないとね。

 さて、火を付ける話からユウキはもう「火打ち石」探しに夢中。

 庭のあちこちからそれらしき石を拾っては私に持ってきます。

 私はその石を斧に打ち付けて火花が出るかどうかを確認。結局だめでした。

 ということで、今度来るときは「川原で火打ち石探しするんだ〜」ということになってしまいました。

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 年が明けて正月2日、ちびっ子軍団がまたもやってきました。

 ところがその日の朝は、あいにくの雪と強風。

 火打ち石探しに変わるイベントをすぐに提案しないと騒ぎ始めます。

 そこでふとひらめきました。

 「大きな段ボール箱があるぞ!」

 あっちこっちの関節痛で大変な女房が最近購入したミニマッサージチェアが入っていた箱が残っていたのです。

 「よし、これで最近ユウキが夢中になっている『タイムマシン』を作ろう!」

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 ナオは女の子なので料理の手伝いとか、折り紙とか、お絵かきです。

 やろっ子のユウキは、「タイムマシン」と聞いてもう大喜びです。

 実はユウキは最近タイムマシンに凝っていて、一人言をつぶやきながら時空旅行者になりきっていました。

 正月、神棚に手を合わせるときも「どうぞ過去に行けますように」と拝んでいました。 

 次の日、母親に「どうして神様にお願いしたのに過去に行けないの!」となじっていました。

 ところがタイムマシンに興味が出てからはすさまじい学習意欲です。

 「じいちゃん、江戸時代の前は何時代?」「弥生時代の前は何時代?」「ブラックホールってどういうの?」

 今では母親よりも知識が豊富になってしまいました。

 私も思わず「ユウキはタイムマシンができたら、どの時代に行きたいんだい?」と尋ねれば、

 「137億年前に行きたい!」

 それは『137億年の物語』を拾い読みしたせいなのですが、宇宙の誕生を見たいんだそうです。

 その次は太陽ができる時、そのまた次に行きたい時代は(やはり)恐竜の時代ということでした。

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 さっそく二人で作り始めました。

 段ボール以外は、カッター、はさみ、ガムテープ、ひもだけです。

 ガワをなんとか作り上げ、ユウキはマシンの外側へいろんな情報やらメーターやらを描き込みます。

 ユウキによれば、このマシンは「タイムセンター」というものであり、単体では用をなさないらしい。

 タイムセンターの中には一人乗りの運転席がついており、座った正面に可搬型タイムマシンを取り付け、それではじめて一人乗りタイムマシンとなるんだそうです。

 もうご満悦のユウキくんです。

 ユウキの将来の仕事は「タイムスクープハンター」かな?

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 さて、これで過去や未来に行けないとなれば、ユウキがまたむずるのでこんな話をしてあげました。

 「ユウキ、過去や未来に行くのは夜寝ているときなんだよ。夢で少し思い出すことがあるけど目が覚めたときにほとんど忘れてしまうんだ」

 「しかし、昼間起きているときに勉強したことが、夜中に過去や未来へ行くための材料になるんだよ」

 「ちょうど料理と同じで、昼間は材料をいっぱい用意し、実際の料理を作って食べるのは寝ているときなんだ」
 次の日、この話はまんざら嘘でもないなと思えてきました。

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 正月三日は父に請われて、神社の元朝参りに替えて「定義如来」という寺社にお参りに行くことになりました。

 宮城と山形の県境に近いこの寺院は平家の落ち武者が由来であり、山深いところにあります。

 国道からはずれ、あと10キロの道のりを走りながら、父はユウキくらいの歳にこの10キロの道路を歩いてお参りしたことを思い出しました。

 昭和6、7年当時、交通機関もないこの山道は駅から徒歩で行くのが普通だったようです。

 親子ほども年齢の違う姉夫婦のお参りについていったらしいのです。

 私は話を聞きながら、当時の道の様子やそこを歩く父たちの姿が浮かんできました。

 そして思いました。

 「そうだ、私たち自身がタイムマシンそのものなのだ!」

 「タイムマシンとは、私たちが引き継いできた思い出や記憶を引き出す『想像力』のことなんだ」と。

 そして「想像力」は、きっと夜中に「右脳」の力を借りて、生き生きとした直感や感性として磨かれていくのでしょう。

 もうひとつ。

 「タイムマシンで過去や未来に行くのではなく、今ここにあるタイムマシン(想像力)に過去や未来がやってくるのだ」

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 さて、タイムマシンならぬタイムセンター、作ってはみたものの座敷がふさがってしまいました。

 娘に「そちらへ運ぶから」と言ったら、「置くところないからだめ」と言われ。。。

 さらに、製作当日はナオちゃんもユウキのタイムセンターを見て駄々をこねます。

 「ナオも大きな家がほしい、ユウキと同じドアがほしい!」

 ということで、余った段ボールの切れ端を、あばら家のごとく貼り合わせ、(まさに子供だましの)ナオハウスもできたのです。

 つまり、これら二つの段ボールの巨大建造物が私の寝床に陣取っているわけです。

 身から出たさび?

 実はユウキはまだ冬休みなので、涌谷に出勤する母親に同乗し、今日も我が家にタイムマシンを動かしにやって来ました。

 今日は私は初出勤、家でお相手するばあさまは大変だな、やれやれ!