年寄りの話は終わらない

 年寄りどうしって延々と対話が続けられるんですね〜。それもそのはず同じ話が何度も何度もですから。。。
 週末、お昼ご飯の用意をしようと(ひとり暮らしの)父のところに寄りました。

 玄関に入るとなにやらドデカイ女性の声がします。

 近所に住むこれまたひとり暮らしのおばあさんが来ていました。

 父は89歳、このおばあさんは87歳です。

 母が生きていた頃、よく遊びに来ていた方でした。

 父がしばらく入院していたので、家のシャッターが閉まりっぱなしだったことを心配してくれていたようです。

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 私も混じって三人で会話しましたが、いや〜まいった、まいった!です。

 このおばあさん、とても元気な声で1時間喋りっぱなしでしたが、その内容はつぎの6種類だけでした。

 1.明日、明後日と親戚の法事があって、義理付き合いも大変だ。

 2.娘が一緒に住もうと言ってくれるが、ひとりは東京、ひとりは遠野、とても行きたくない。

 3.毎夕、数キロ離れたもと居た地区から友人がいろんなおかずを持ってきてくれる。

 4.白内障だが手術はいやなので、友人の目薬をさしている。

 5.自転車で買い物もしんどい。

 6.3年前腎臓で7ヶ月入院した。生きて戻れて嬉しい。

 このネタだけで60分喋ったわけですから、一話1分とすれば同じ話が10回くらいあった計算です。

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 わが父の難聴(&うすらボケ)でさらにお笑い話が続きます。

 そろそろ帰るから、というころ父からこんな質問が。

 10回くらい明日明後日法事に行くという話をしているのに、

 「ところで明日どこにいくのっさ?」

 さらに白内障の話を延々としていたのに、

 「目悪いのすか?」

 なるほど、これなら一日中会話していられます。

 私も毎日父から同じ話をされ、ノイローゼ気味であります。

 年寄りどうしならその心配はなくていいなと、天の配剤?に感心というところです。

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 昼ご飯は父に言われ、近くにあるこれまた老舗の食堂から出前を取ることにしました。

 このおばあさんに昼ご飯とるから一緒に食べましょうと誘いましたが、頑固にことわります。

 それで父の「天ぷらうどん」と私の「冷やし中華」のふたつだけ出前を頼みました。

 出前を頼んだ食堂も、作っているのは80過ぎのばあさんです。

 しばらくして出前が来ました。(配達は息子さん)

 そうしたら、おばあさんこう言うではありませんか。

 「私の分まで取ってくれなくてもよかったのに、どうすっぺや」

 (あれれ。。。)

 つい、私はこう言いました。

 「久しぶりなんだし、せっかく取ったんだから親父と一緒にゆっくり食べていって」

 「私は仕事あって、すぐ出なくちゃなんないから」

 そして気を回されないうちにと、慌てて父の家を出てきました。

 ヤレヤレ。。。

 やっとネバーエンディングストーリーから解放されました。

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(先日退院した日に寄った父の散歩道「いこいの森」)