温泉で話しこかたり

 鳴子温泉日帰り放浪記は二ヶ月目に入っています。最近入った二カ所の温泉では、女将さんや常連さんとあれこれ「話しこかたり」をしました。
 時間ができた平日の午後や週末の休みに、趣味と健康維持をかねて鳴子温泉郷の日帰り入浴をしています。

 この歳になるまで、鳴子温泉ではけっこういろんな湯に入ったつもりでしたが、まだまだ未経験のお風呂が多くわれながらびっくりしています。

 なにせ、日本にある湯種11種類のうち9種類もあって、しかも温泉ごとに成分が異なる源泉数は370本もあるんですから。

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 さて、最近入った温泉は二カ所です。

 まずは東鳴子温泉とはいえ川向かいで少し離れた場所にある「阿部旅館」です。

 ある方から「ここの湯いいよ!」と勧められていました。

 この温泉は女将さんがとても親切で温かい感じの方です。

 入浴料はたったの300円、しかも日帰り入浴なのに女将さんが浴室まで案内してくれました。

 異なる二つの湯種の温泉が壁を接して並んでいます。

 奥の方は単純泉ですが鉄分が多く、かなり温まるというのでまずはそちらから。

 今までの日帰り入浴と同様、ここも私独占温泉でありました。

 いろんな種類の温泉に入っていると、特に手のひらの感じで湯種の違いが感じ取れるようになってきました。

 ここは少しキュッとしまるような感じがしました。

 源泉掛け流しのお湯をなめてみると、やはりほんのりと甘渋い?味がしました。

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 次に隣の風呂に入りました。

 ここは含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉ということです。

 少々硫黄臭がありますが、最初に入ったお湯よりもサラッとした感じというか爽やかな感じがしました。

 炭酸の影響があるかもしれません。

 私は最初に入った方が気に入りましたね。

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 さて、お風呂からあがって玄関の椅子で休んでいたら女将さんが通りかかりましたので話しかけました。

 こちらは腰かけているのに、女将さんは立ったまま15分くらいもお喋りにつきあってくれました。

 源泉は結構気まぐれで、以前は42度くらいでちょうど良かったのに、ある時から70度以上になってしまって湯温調節に苦労した話とか、

 2008年の宮城岩手内陸地震では、同じ東鳴子温泉の老舗旅館の400年前からの源泉が止まってしまい休業せざるを得なくなった話とか。

 温泉とかざらぬ温かい女将さんとのお話で、身も心もホカホカになり、とても機嫌良く家路に向かうことができました。

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 次なる温泉は中山平温泉「あすか旅館」。

 ここではじめて私以外の入浴仲間と出会いました。

 ここのお湯は「強アルカリ性単純泉」ですが、とても温まります。

 飲める温泉でもあります。

 入浴仲間のおんちゃんは往年の加東大介のような方で、毎日のようにこのお風呂に来ているのだそうです。

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 なぜかといえば、ここのお湯をいろんな用途に利用しているらしい。

 ご飯を炊くのも、味噌汁にも、そして何よりも毎晩の「焼酎割」にここの温泉水が欠かせないのだそうです。

 大げさに話したのかもしれませんが、毎日「いいちこ」1本あけるそうです!

 それでも全然悪酔いしないのはここの水のせいだと話していました。

 おもしろいのは、外呑みするときもここの水持参で行くそうで、常連の店に入ったとたんに「水持ってきた?」と聞かれるそうです。

 肌つやもよくほがらかなおんちゃんと脱衣室でほてった体を冷ましながら20分くらいも「話しこかたり」をしたのでした。

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 ※すべての写真はネット上からお借りしました。

参考
 純米酒のような温泉
 鳴子温泉湯めぐり道中記
 鳴子温泉日帰り放浪記(1)
 鳴子温泉日帰り放浪記(2)
 鳴子温泉日帰り放浪記(3)