冬青空の露天風呂

 昨日はすばらしい快晴! この日の鳴子湯巡り道中は冬青空の露天風呂でした。
 鳴子温泉郷のひとつ鬼首(おにこうべ)温泉は透明なアルカリ性の温泉です。

 今までの道中記で「大新館」と「元湯」について紹介しました。
 
 今回はそれらの旅館とお向かい、お隣同士の「かむろ荘」です。

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 鬼首は山の町ですが、そのうち一番高い山が「禿岳(かむろだけ)」です。

 私も若い頃何回か登りましたし、子供や甥姪、従兄弟たちを連れて何度かふもとでキャンプもしたものです。

 その山の名前をとった名前の旅館なんです。

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 実は10日くらい前に「かむろ荘」に行ったんですが、そのときはあいにく入浴不可の張り紙がありました。

 もしかして冬期は日帰りお断りなんだろうか?と思いました。

 でも、お隣の「元湯」の湯が印象深かったせいか、どうしても入ってみたくて再挑戦したら、入浴OKの張り紙に替わっていました。

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 小さい旅館と思っていたら、なんのその!

 一階も二階も長〜く続く廊下と多くの客室。

 その二階の廊下の一番奥に「露天風呂」の入り口があります。

 この日もいつもと同様、名湯に私一人の超ぜいたく湯巡りです。

 快晴のぬけるような冬青空。

 百度近い高温の透明清冽な湯が、大きな石の湯口から静かに岩風呂へと流れ込みます。

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 脱衣場はありませ〜ん。ちょっとした屋根の付いた自然木のベンチに脱衣かごがあります。

 お湯はアルカリ性単純温泉。

 とても柔らかい湯で、皮膚の毛穴がゆる〜く広がっていくような「優しい感触」です。

 同系統の湯ですが、「大新館」とも「元湯」とも微妙に感触が違います。

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 しばらく温まってから、脱衣場代わりのベンチに腰掛け、しばし風景を愉しみます。

 急斜面の山肌が迫っているので、もしかしたら熊や猿も来るんじゃないかな〜と本気で思いました。

 まじまじと湯口の石を見れば何かと似ているな〜。

 そう、亀のあたまそっくりなんです!

 しかも湯の当たる下の岩にはカルシウムなのか白い付着物が固まっています。

 もしかしたら(隠れ)「子宝の湯」では?な〜んて。。。(R15)

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 すばらしい一人湯を堪能した後、帰りの玄関先。

 旅館にいる私以外のたった一人、ご主人にお礼を言いました。

 「とろ〜っとしていい湯でした」

 「でも屋根がないので雨や雪の日は大変ですよね」

 ご主人が言うには、「ハハハ、全天候型ですから」???

 「女性客の日帰り入浴は内風呂なんですか?」

 「いいえ〜、混浴ですから。了解してもらって一緒にはいってもらってます」

 お〜〜!そうだったのか!とぬか喜びをした後、思い出しました。

 私はかつて混浴を何度か経験しました。

 そのとき湯に入ってきたのは「現役お姉さん」ではなくて「元お姉さん」だけだったのです。

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 お昼ご飯は鬼首温泉の入り口にある田舎風食堂でキノコ蕎麦を食べました。

 食事場所の囲炉裏にデンと腰掛けてイワナを焼いていたのはお客さんかと思ったら、どうやらここのご主人のようでした。

 ご主人の後ろの棚に飾ってある真っ黒顔の「釜神さま」を見てびっくり!(こちらでは竈の神様として木彫りのお面づくりが伝統です)

 ご主人はまさに「生きた釜神さま」じゃありませんか!

 ということで、記念にパチリしてきましたよ。

参考
 温泉で話しこかたり
 純米酒のような温泉
 鳴子温泉湯めぐり道中記
 鳴子温泉日帰り放浪記(1)
 鳴子温泉日帰り放浪記(2)
 鳴子温泉日帰り放浪記(3)