現代によみがえる「うま」

 仕事にも食事にも机やテーブルは必要です。でも大きすぎると邪魔になります。そこで「うま」の登場です。
 月刊誌『ソトコト』をまた取り始めました。

 まず表紙の写真に目がとまりました。

 徳島県美波町で、東京のIT企業がリノべーションした「あわえ」というサテライトオフィスだそうです。

 目がとまったのは手前の「大きな木製テーブル」です。

 木の自然感が心地よく、仕事机にも団らんのテーブルにも、どちらにもピッタリしそうです。

 それにエックス材木を配置した「間仕切り」もいいなと感じました。

 エリアをゆるく分ける境界となっているし、インテリアのアクセントとしても効いています。

 実はこの建物はもと「銭湯」で、大きなテーブルのある場所は湯船だったそうです!

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 さて、建物を多目的に使う場合には、大きな家具は邪魔になってしまうことがあります。

 ところがページを開いていったら、その解消法みたいな記事が載っていたんです。

 それが「うま」。

 「うま」というのは、昔から大工さんなどが使っていた「架台」のことです。

 「架台」に材木を乗せて乾燥させたり、天板を置いて作業台にしたりと、道具というか民具として使われていました。

 四本の脚に板を乗せた姿が「馬」のようなので、この名が付いたのでしょう。

 その「うま」を現代民具として蘇らせ商品化したのが、写真の「Plywood Pony」です。

 好みの天板をアレンジすれば、個性豊かな大型テーブルに変わります。

 さらに取り外しが簡単にできるということで、部屋の使い途が大きく拡がることでしょう。

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ポニーたちが踏ん張っています

 人生の中で、誰もが何度か目にしたことがある「うま」と呼ばれる架台。

 天板を渡してテーブルや仕事机に、また作業台としても使える便利な道具だ。

 これを「現代の民具」という視点から『民具木平』主宰の野本哲平さんと、化粧板メーカー『伊千呂』がブラッシュアップ。

 それが「Plywood Pony」だ。

 手をかける部分には広葉樹のホワイトアッシュを、それ以外にはラワン材の合板を使用。

 四方転びをモチーフに、厚さ9ミリの合板で持ち運びしやすい架台を実現。

 また、脚と脚のつなぎがないので、スタッキング(積み重ね)も可能だ。

 「自分で調整して、道具として使うものが生活にあってもいいと思うのです」と野本さん。

 生活を「創造」するための、古くて新しい道具。

 (幅800×奥行き260×高さ690mm 価格二台セットで1万8千円)

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 日本の住居はもともと「畳」が基本で、座敷は居間にも寝室にも自在に変わるということが特徴でした。

 洋風に慣れた私たちですが、どこかに先祖の遺伝子が眠っているせいか、そんなフレキシブルでシンプルな住まい方に心惹かれることがあります。

 「劇的ビフォーアフター」という人気のテレビ番組では、必ず「匠(たくみ)」が何かしらフレキシブルな仕掛けをつくってくれます。

 それを見たときの施主の喜ぶ顔。。。

 そんな映像を毎回見るたび、住まいの空間を簡単に自由に変えることは、日本人の多くが心惹かれることに違いないと実感します。

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 私もいつか「自然派シェアオフィス」をつくるときが来たらぜひ参考にしたいものだと思います。

 ところで一昨日、仕事の関係で会社に来た東松島出身の社長さんからワクワクする話を聞きました。

 3.11震災復興ボランティアで来てくれていた年配の大工さん二人(埼玉と長崎)が、こちらに住み込みで「土の家」づくりをしているのだそうです。

 土嚢と土壁で3階建ての建物を作るそうですが、一階はできたそうです。

 寒暖、乾湿の調整機能がすばらしいらしいです。

 一昨日いらした社長さんたちも入って「NPO」にするそうです。

 今月25日、仮設住宅にいる子どもたちを招待して「クリスマスパーティー」をするとのことで、私も参加させてもらうことにしました。

 「住まいの工夫」として現代に蘇る「うま」とも共通性があるような気がします。

 また後日、ブログで紹介したいと思います。