自転車で列車に乗れたなら

 青森県の地方鉄道で自転車のまま乗車できる列車が運行されたというニュースを昨年聞きました。冬季は休止らしいですが春の再開が楽しみです。
 楽しみといっても、青森県まで行ってその電車に私が乗車するわけではないんです。

 そのような自転車列車が普及してくれればいいな〜と、かねがね思っていたので嬉しいのです。

 なにせ私は痛い股関節と切っても切れぬ腐れ縁でして、少しでも劣化を遅らせようと自転車によく乗ります。

 ずいぶん前になりますが、テレビでドイツかオランダかデンマークか?ヨーロッパの自転車通勤列車の映像を見ました。

 そのとき強烈に思ったのです。

 「うわ〜!こんな列車ができれば、私は毎日自転車で会社に通えるし、遠くへの旅行も気軽にできそうだ!」

 さらに想いは「あるべき町」へと飛躍しました。

 「戦車みたいな車が行き交う「物騒な町」も、少しづつお年寄りや子供に優しい「人間の町」に戻れるかもな」

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 テレビで見たヨーロッパの鉄道では、まるでバリアフリーのように、道路、駅舎、改札、電車の扉へとスムーズに進めるようになっていました。

 すべての車両がそうではなくて、一部の車両が自転車のまま乗車できるようになっていました。

 街の道路もしっかりと自転車専用道が整備されている国々ですから、その延長として当然の交通システムといえることでしょう。


(ドイツの列車)


(デンマークの列車)


(デンマークの列車)


(オランダの列車)

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 日本の駅ではホームへ渡る跨線橋の階段がネックになるとは思います。

 しかし、そこは何とか工夫できるのではないでしょうか。

 フラットな底面のエスカレーターや自転車も収まるエレベーターをつけてもいいと思います。

 そのような装置は身障者やお年寄りも一緒に使えますから、人に優しい駅となります。

 予算的に難しい場合は、階段の両脇を車輪が転がるようなフラット斜面にしてくれるだけでもよいと思います。

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 列車のほうに関しては、自転車で乗れる車両は座席をまったくなくすか減らすかします。

 代わりに自転車を固定できる「ワッカ」みたいな固定金具が床などに設置してあればいいと思います。


(ドイツの列車)

 大きな駅舎内を(自転車を引っ張って)移動する場合は、床面を塗料できちんと区分けすれば問題なくいけると思うんです。

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 今では電動アシスト自転車や転ばない三輪自転車も普及してきました。

 にも関わらず、自転車に対する配慮が街つくりや交通機関に不足なので、歩行不自由な人は結局自動車に頼ってしまいます。

 もしこのような自転車列車が全国的に普及したら、足の多少不自由な人たちが喜んであちこち移動や旅行をすることになるはずです。
 
 私たちの住むこの国は、自転車を電動アシストにしたりするような「物」の工夫は得意ですが、全体最適のしくみづくりはまったく苦手です。

 物まねは昔から得意なんですから、物だけでなく、システムや街作り、コンセプトもヨーロッパの先進諸国から盗んでまねて欲しいものだと思います。

 あっ!ついでに自然エネルギーへのシフトもドイツの真似っこしてほしいな〜〜。

参考
 →自転車がそのまま載せられる!ヨーロッパの列車