まるで原油のような名湯

 お〜〜〜っ日帰り入浴できるようになったんだ!東鳴子温泉の名湯「高友旅館」の「黒湯」に入ってきました。

 高友旅館には4つの異なる温泉と七つの湯壺があります。

 なかでも「黒湯」の効能は有名で、しかも混浴です。

 (宿泊の場合は夜8時から9時半まで女性専用となるようです)

 私がこの湯に入るのは2009年の大晦日に家族と一緒に泊まって以来で5年ぶりです。

 ここは日帰り入浴できないものと私は思っていましたが、実はずいぶん前からできるようになってたんですね。

 さて、小雨降る涌谷をお昼に出て、一時間ちょっと、鳴子はやっぱり小雪です。

 今日はどこに入ろうかと川渡温泉、そして東鳴子を物色中、高友旅館に「日帰り入浴」の幟を発見したのでした。

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 相変わらずの旧い佇まい。

 ロビーに入れば、5年前泊まったときと同じように寒い。。。

 というのはこの旅館、泊まる部屋以外は暖房してないんです。

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 「あ〜〜やっぱりな」と思い出して、入浴料500円をお支払いして「黒湯」へ直行します。

 迷路のような廊下には「虎」の剥製がいました!

 まるで旅館の番をしているようです。

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 「黒湯」のある地下へ下りる途中にはこの湯のいわれが書いてありました。

 大昔からあったのかと思いきや、なんとこの湯が湧出したのは昭和27年、つまり私が生まれる1年前だったんですね〜。

 それ以外の温泉はもっと古くから湧いていたんでしょうけど。

 いよいよ入り口に近づいてきました。

 脱衣室もやはり寒い。。。
 

 今日は珍しく?先客が一人いました。(若い男性でした)

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 さ〜〜、これが鳴子温泉郷の名湯の一つ「黒湯」です。

 鼻をつく「原油」のような臭い!

 といっても原油を嗅いだことがないので想像です。

 実際は「重油」というか「コールタール」の臭いです。

 しかしこの揮発性の臭いに浸っているとなんとも心地よくなってくるから不思議です。

 この温泉が湧出したとき、もしかしたら「石油を掘り当てたぞ!」と叫んだのではないでしょうか。(冗談です)

 成分は「重曹硫化水素泉」とありました。

 同じ成分名でも源泉ごとにブレンドが異なるので、湯ざわりも効能もそれぞれ違いますね。

 それが鳴子温泉郷の大きな魅力です。

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 さて湯口はと見れば、これがおもしろい。

 浴槽の右端には大きな別な浴槽みたいなものがあって、そこからとてもぬるい温泉が浴槽に流れ込みます。

 反対の左端にはなんとも複雑な湯口があって、そこから熱い源泉が流れ込みます。

 異なる源泉のブレンドで湯温を調節しているのかもしれません。

 湯温は40度か41度くらいでゆっくり入っているのにちょうどいい温度です。

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 さて、15分くらいつかりっぱなしで湯から上がりました。

 硫黄成分が入っている温泉はどこもですが、さ〜〜っと汗が引けます。

 「あったまりの湯」と書いていたけどホントかな〜なんて思ったほどです。

 ところが。。。さすが鳴子温泉郷の名湯の一つです。

 帰路、一時間以上もたってからかえってポカポカしてくるのです。

 このブログを書いている今、入浴から4時間経っていますが、気温2度小雨で寒い日なのにびっくりするくらいポカポカし続けているのです。

 さらに、重曹成分のせいでしょうか手がツルツルすべすべです。
 
 温まり効果では、同じく鳴子温泉にある「ホテル瀧島」の「薬湯」と、この「黒湯」は東西の横綱かもしれないな〜なんて思っています。

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 2009年の大晦日にきたときを思い出しました。

 あの日は大雪でした。

 孫と一緒にこの「黒湯」に入ったとき、暗いのと湯気で誰が入っているやらわかりませんでした。

 そのうち隣のお二人が話をはじめました。

 なんと片方は若い女性の声だったのです。

 若夫婦か恋人同士だったんでしょうね〜。

 お二人を見ないようにと気を遣い、孫とあがりましたっけ。

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