貨幣愛より仕事愛

 二十世紀の経済学者ケインズは「資本主義社会は貨幣愛の社会である」と述べたそうです。さらに「お金が基準になるから資本主義はわかりやすく効率がいい。しかし、その過程では人々の精神が貨幣愛に蝕まれていく」とも。
 人々が複雑に関係し合う現代社会の中で、合理的な価値基準として「お金」というものはなくてはならないものです。

 同時にだれもが、社会や仕事に「お金」以外の非合理な価値があることも理解しています。

 ところが、その価値があまりに多様なために、だれもが共通で納得しうる基準が見つからない。

 そのうち人は非合理な価値について考えることが面倒になってしまい、わかりやすい「お金」という合理的価値基準だけに頼る社会となってしまった。

 在野の哲学者内山節(たかし)さんはこう述べています。

 合理的な価値と非合理な価値との関係を、間違えてはいけないのだと思う。

 合理的なものは、わかりやすくても本当に大事なものではない。

 ところが近代思想はそれを間違え、すべてを合理性のなかに解消しようとした。

 それが、今日の人間の存在の不安定感をつくりだした。


 詳しくは下記をお読みください。

  →アダム・スミスの悩み

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 このシリーズは脚本:私ノボ村長、絵:同級生ゴリランジェロ氏のコンビで作成しております。





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