背広姿でプチ登山 その8(笹倉山に登る)

 いつもの通り?天気予報は外れて超快晴となった本日の宮城県。股関節痛ジジイは40日ぶりのリハビリ登山に挑みました。なんて長い梅雨夏だったことでしょう。宮城県大和町にある七ツ森の最高峰「笹倉山」(506m)に初登頂です!
 天気予報ですが、世界最高速のスパコンを使っているわりには数十年前と精度が変わらないのでは?とうすうす感じている方も多いのではないでしょうか。

 猛暑になるという長期予報はまったく外れ、今日明日の天気さえよく外れます。(私が思うにせいぜい65点)

 とはいえ、予報なんかどうでもいいから晴れてくれれば御の字、というのが湿りに湿った私の本音です。

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 12時20分、かねて調べておいた登り口に車を止め、いよいよ七ツ森の最高峰「笹倉山」へ登頂開始です。


(この写真はYAKMAKEIONLINEより拝借しました)

 駐車場には私の車以外にもう一台あります。(たぶん一組山中にいるのだなと安心します)

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 私は泉鏡花の『高野聖(こうやひじり』という作品が大好きで、何度も何度も読んでいます。(映画館でシネマ歌舞伎も見ました)

  →シネマ歌舞伎「高野聖」

 深山に住む妖艶な美女と出会った修行僧の不思議な体験談を、数十年後上人となった僧が旅籠で同宿の若者に夜伽話として語って聞かせる筋立てです。(時は明治時代)

 真夏の草いきれや山道の感触さえ感じられる自然描写、テンポの良いストーリー展開、何よりも深山の清冽な雰囲気の中で解き放たれる魔性のエロス、その場面は何度読んでも飽きません。
 
 実は最近「Audible」という朗読コンテンツでこの「高野聖」を見つけ、朗読の品質がとても良いので二日続けて就寝前に聴いておりました。

 なぜこの話かというと、今日の山行が「高野聖」が描写する山道にとても雰囲気が似ていたからです。

 本を読み、朗読を聴き、芝居を見て、いよいよ今日は「身体」で感じることになりました。

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 出発点からして、実に厳かさを感じさせる山です。

 石門の向こうには衛兵のように、山の斜面にそって杉の木が行儀良く空にむかって整列しています。

 最初の上り道はとても狭い。。。

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 杉の木が空をふさぎ、腐葉土となった黒土が光を吸収し、まるで月夜のような暗さの山道が続きます。

 木々の上にときおり青空が垣間見えるとホッとします。

 登山道は良く整備されており、難所には手すりがしつらえてあり、まずまず登りやすい道です。

 途中、下山中の見るからに健脚そうな老夫婦と出会いました。(たぶん駐車場の車の方でしょう)

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 30分ぐらいで、見晴のいい場所に着きます。南川ダムのある七ツ森湖がよく見えます。

 さらに進むと、何か御利益のあるらしい「亀の子」があります。

 暗い山道の中、途中にこういうオブジェがあると人の気配を感じて安心します。

 ようやく広葉樹林帯が現れ、少し明るい感じになってきました。

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 「頂上へ250メートル」という標識が現れました。

 頂上方面とは異なる方向には何やら「あずまや」が見え、眺望が良さそうですが、まずは頂上へ。

 登山開始後約一時間、笹倉山頂上へ着きました。

 とはいえ、展望はゼロ、どでかい神社だけが鎮座ましましております。

 往路の無事を感謝し、帰路の無事を祈って、先ほどの分岐点にある「あずまや」へ向かいました。

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 頂上から5,6分で東屋へ到着です。


 
 ここは仙台方面の展望がとても良い場所です。

 いつもの梅おにぎり2個と水で昼食をとり15分ほど休憩しました。

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 帰路は往路と同じ一時間ちょっとで下り終えました。

 山中の気温は、たぶん20度くらいだったと思いますが、それでも汗は結構かきます。

 車のトランクを開けて、ペットボトルの水をタオルにかけ、上半身(だけ)裸になって身体を拭きます。

 涼しい風が吹き、汗がさーっと乾いていきます。

 真夏をどこかに置き去りにして、もう秋が来たのだな〜としみじみ思いました。

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 (「背広姿で・・・」というタイトルは最初背広姿で登山をしたことに由来します。その後はハイキング風に着替えて登っておりますがシリーズ名としてそのまま使っております)

 →背広姿でプチ登山
 →背広姿でプチ登山2
 →背広姿でプチ登山3
 →背広姿でプチ登山4(頂上間近)
 →背広姿でプチ登山 その5(薬莱山に登頂!)
 →背広姿でプチ登山 その6(おこま山に登る)
 →背広姿でプチ登山 その7(たっこ森に登る)