やさしく気骨ある父、ついに逝く。

 昨日は父の初七日でした。享年94歳、いくつになっても親を喪うのはつらいことですが、生前の父を見習いプラス思考で生きていこうと思います。
 画家中川一政が父を亡くしたときの文章を引用いたします。

 棺に入った父を見たとき、火葬の後、私の心もまったく同じでした。

中川一政画文集
「いのち弾ける!」より

私は思った。貧乏なんて生きている間のことだ。死ねば跡形もない。
その古武士のような顔、鍛錬された骨格の立派さに感動した。
このままいつまでも置いておきたい。
私は火葬場から、その骨壷を抱いて車にのった。
まだ熱い骨壷の上に涙がおちた。
私はこの父を愛しているのだ。この父から生まれた事を誇りに思うのだ。


下の文章は7年前に会社のブログに私が書いたものですが、父への追悼として再掲します。

この写真は、父の肖像写真とともに祭壇に飾っております。

「親父の背中」
2010年5月14日 18:17 

社長をしております川嶋信雄です。

皆様にはいつもお世話になっております。

今日は、今年86歳になる私の親父を紹介します。

毎年5月の連休には父と一緒に金華山へ行くのが恒例です。
今年でもう25年目になります。

金華山からの帰り道、
コバルトラインから太平洋を眺める親父の後ろ姿を撮りました。

何とも哀愁を感じさせる背中です。
長い人生のあれこれを思い出していたのかもしれません。

親父の青春時代は戦争と4年間のシベリア抑留でした。

その後結核で入院したり、4回もガンの手術をしましたが、
感心するのはそのプラス思考です。

ガンを告知されても「見つけてもらって本当に良かった、
お袋があの世で守ってくれているおかげだ」と心から言うのです。

だから「絶対に治ってみせる」という執念は、
人一倍強いものがありました。

おかげで、今でも足腰は丈夫、歯も全部あって
魚は骨ごと食べたりします。

しかも元気にほがらかに一人暮らしで頑張ってくれています。

私は、お袋(亡くなって10年)似でありますが、
「プラス思考だけは親父ゆずりだぜ」と言いたいものだなーと
つくづく思います。