職歴多彩な私は三十数年前工場勤務をしておりました。その頃勉強した「トヨタ生産方式」はまさに目からウロコでした。独特の用語が付けられていたので今でも鮮明に覚えています。
カンバン方式、ジャストインタイム、5S、目で見る管理、整流化、平準化、省人化、にんべんの付いた自働化、多品種混載ライン、ミズスマシ、赤紙、あんどん、多機能工、一個造り生産方式、S字ライン、U字ライン。。。
そして何よりも「全体最適」という考えがあらゆる改善の根本にありました。一部の工程だけが効率化しても何の意味もない、あらゆる改善は常に全体最適に寄与することが条件でした。全体最適のために「助け合い」が必須のこととして「しくみ化」されていました。
トヨタ生産方式では現場で人が人に仕事を通して教育訓練する「OJT」(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が基本です。改善活動は現場作業者の「QCサークル」(品質管理改善小集団活動)がベースでした。つまり一番基礎の部分(作業者層)が強いのです。
1950年代、大量の在庫を抱え倒産寸前だったトヨタは、起死回生をかけアメリカを視察しました。そこでスーパーマーケットの商品補充のしくみに出会い、トヨタ生産方式の要となる「カンバン方式」のヒントを得たのです。それゆえトヨタ生産方式が、製造業のみならず多業種に効果的であるというのもうなづけることです。
さらにトヨタ生産方式を身をもって学んだ人たちから多くのコンサルタントが生まれ、まるで釈迦やキリストの弟子達のようにして世界へ、異業種へとその思想・技法を伝えていきました。
トヨタが驚異的な売り上げ、利益を上げ続けているのも、トヨタ生産方式が世界の製造業のみならず様々な業種における管理手法の標準となっていることも、まさに当然のこと、つまり「生産の思想」と「生産のしくみ」が合理的であるがためでしょう。
私は創業したソフトウェア会社においても、トヨタ生産方式で学んだことをベースに経営してきました。また、この「勉強中だよ!レッツくん」シリーズにおいても、かなりのストーリーがトヨタ生産方式で学んだことを基にして書いております。
このような、技術と人間が融合した「生産哲学」を学べたことは、私の人生の宝物と今に至るも感じております。
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このシリーズは脚本:私ノボ村長、絵:同級生ゴリランジェロ氏のコンビで作成しております。
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