私のセンス・オブ・ワンダー

 今日は晴天なれども風強し。しかし「いこいの森」は無風の別世界。レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』の世界そのものでした。

(宮城県大崎市鹿島台「いこいの森」)

『詩集ノボノボ』より

私のセンス・オブ・ワンダー

 昼、帰宅の道を遠回りして

 久しぶりに「いこいの森」を歩いた

 股関節の悪い私だが

 適度に動かさないと固まってしまうので

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 両手に ノルディックウォーキング用のポール

 右手の指に 熊よけの鈴

 森の中は私一人だけ

 外は強風なのに 森の中は無風の別世界  

 道に積もった落葉が 

 秋の光に きらきらとさざめく

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 起伏が多いこの森には 様々なコース

 なので しじゅう来ても飽きが来ない

 どれも 一周2キロくらいかな

 一人暮らしの父は 車を離すまで

 この森に 毎日のように通っていた

 今では それを私が継いでいる

 たまに 父と一緒に歩くこともある

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 歩き始めは 平坦なプロムナード

 けやきの落ち葉を ザクザク鳴らし

 まずは、脚ならし

 やがて紅葉やもくれんの落ち葉にかわり

 ねむの木通りを通過して

 白樺の下り坂へ入る

 途中大きな沼や 沢の橋がある

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 今は花も葉っぱも店じまい

 ところが 枯れた季節こそ美しい

 セピア色の世界は 柔らかく落ち着いて

 渋い大人の世界だ

 夕焼けの美しさに少し近いかな

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 歩きながら 自然の多様さを思う

 いったいどれほどの植物や動物や

 菌や土壌や鉱物が

 この森にはあるのだろう

 きっと 何十万もあるにちがいない

 それらに名前を付けてきた

 私たちも センス・オブ・ワンダーだ

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 レイチェル・カーソンが晩年に

 甥っ子と一緒に過ごしたメイン州の別荘

 その森の風景もこんなだった

 『センス・オブ・ワンダー』には

 こんな言葉があった

 もしもわたしが、

 すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に

 話しかける力を持っているとしたら、

 世界中の子どもに、生涯消えることのない

 「センス・オブ・ワンダー」

 「神秘さや不思議さに目を見はる感性」
 を授けてほしいとたのむでしょう。

 今日は 私のセンス・オブ・ワンダー

 時空を超えて レイチェル・カーソンが

 しばし この森にきてくれたのだ

→センス・オブ・ワンダーより
→ノボ村長の「詩集ノボノボ」