発明は必要の母

 80年前の今日、発明王エジソンが亡くなったそうです。もし彼が現代に生まれ変わったとしたら、いったい何を発明しようとするでしょうか?いや、その前に科学技術についてどんな反省をするでしょうか?
 今日の朝日新聞「天声人語」にはこんな言葉が。

 昔は『必要は発明の母』だった。いつしか『発明は必要の母』になったと先の文で池内(池内了)さんは言う。そこで日本の原発である。必要だからあるのか、あるから必要と言われるのか。どちらが真相かを、発明王の命日に考えてみる。

 wikipediaには、エジソンの晩年についてこんなことが書かれていました。そこには生死の次元を超えた発明を真剣に追求する鬼気迫る老発明家の姿があります。

 高齢となって会社経営からは身を引くが、研究所に篭り死者との交信の実験を続ける。1914年12月に研究所が火事で全焼し約200万ドルの損害を蒙ったが、臆せずその後も死者との交信についての研究を続けた。

 晩年のエジソンが現代にいたら原発をどう考えるでしょう?

 今日は私がエジソンになりきり、架空の世界で、彼の「未来の足跡」を残してみたいと思います。

現代に蘇ったエジソン

 「なんということだ!私が社長だったGEがこんなざまとは!」エジソンはフクシマの災禍を知り、叫んだ。

 ネバダ砂漠の地下深くに秘密に作られていた冷凍睡眠センターからめざめ、現代の情報に接した彼が最初に発した言葉だった。

 事故を起こしたフクシマの原子炉はGE社製「マーク1」であった。

 現代に蘇ったことは、好奇心旺盛な彼にとって何物にも代え難い喜びであるはずだった。ところが・・・

 数日間現代の歴史や科学技術に接した彼の顔は、好奇心に輝くよりも、苦悩にしわを寄せる時のほうが多かった。特に原爆や原発の惨禍については絶望的な表情で資料を見ていた。

エジソンの決意

 彼は思った「理念なき科学技術の発達は地球を滅ぼしかねない。現代は人間が作ったものに人間が振り回されている」

 ブレーキのない科学技術の発達。それを当然としかと考えられない人類の業、彼はそれを骨身で感じたのだ。悪寒がした。
 
 現代に蘇ってから一ヶ月が過ぎた。彼は今までとはまったく異なる「科学技術の新たなレール」を敷くことを決意した。

 その基盤となるしくみは「未来からブレーキをかけるシステム」である。

 彼自身も過去から蘇った。また彼は晩年「あの世」との交信を研究していた。今こそその研究を「破滅に進む人類のブレーキ」にしようと決意したのだ。

未来を灯台にする

 一年後、エジソンは「霊界次元通信システム」を完成させた。

 これは因果律を否定する技術であった。今までは物理法則の新発見があって、しかるのちに新しい科学技術が生まれていた。彼のこの発明はその逆であった。

 亡くなった人たちは消滅しているのではない。多元宇宙へと次元を変えて存在しているのだ。多元宇宙の中には、現代と時空が重なり合ったものも存在する。そこには過去の天才や英傑、さらには庶民まで存在している。

 彼らの多元宇宙は現代によって影響を受けている。その声を皆に聴かせるのだ!

 「原発」を推進した未来、そこには何度かの惨事があり、遺伝子を傷つけられた生物の未来があった。地下で暮らすエリート層とゾンビ化することで生命を全うしている新賤民たち・・・

 エジソンの「時空テレビジョン」を見た科学者は、頭脳ではなく心でその進むべき道を把握することとなった。

参考
 「猿の惑星」外伝
 宇宙船ビーグル号と似ている今