「豊かで愉しい貧乏」探求

 実は、この世界には空からこんなメッセージが絶え間なく流れていたんです。「お金がないと怖いですよ〜」「電気がないと怖いですよ〜」「病気になると怖いですよ〜」「攻めてきたら怖いですよ〜」
 最近の三大災害を経て、ようやくそんなメッセージが秘かに流されていたのだということがわかりました。

 三大災害というのは「9.11」「リーマン」「3.11」なんです。

 「憎悪の殺し合い」「果てしなき強欲」「驕りと油断の災害」

 このような大災害を経ても、私たちはまた同じことを繰り返し始めています。

 その理由の一つは「新しい生きかた」を想像できないからでしょう。

 なので、従来の生き方に固執してしまいます。

 なぜ、想像できないかといえば、「家畜化」しているからです。

 エサは「金」や「電気」です。(過剰な)「国」とかいう強固な柵をめぐらし、欠乏の恐怖によって「想像力」と「創造力」を奪っているのです。

 誰がそうさせている? それがおもしろいことに自分たち自身なんです。「疑心暗鬼を生ず」です。

 そんな家畜の私たちですが、時々は野原で自由に草を食みたい。楽しく動き回りたい。そして野原から「柵」の中の暮らしについて考えたい。

 エサは自分で探したり、雨露をしのぐ場所も工夫しなければいけないけれど、そのほうが良さそうな気がします。たとえ毎日ではなくても。

 「現代の生き方」を左右しすぎている要素は「金(自体)」です。

 必要があって生じた「金」ですが、今は行き過ぎて「毒」に変質してしまった面もあります。

 私たちが「家畜」の状態から、ほんの少しでも「自由な人間」を取りもどすには、「金の脅し」から逃げられる手段を考えなければなりません。

 それは、極端でなくてもいいと思います。だから誰でもできると思います。それは「愉しさの再発見」になると思います。

 そんなことを考えて、こんな本を買いました。(ずいぶん金かかるでしょう?と思われるかもしれませんが、飲み代一回分よりい安い。今はほとんど外飲みしないので全然大丈夫ですね。ま〜私なりの投資です。)

 さて、何冊かパラパラと開いてみたら、その愉しいこと!楽しいこと!

 もう、食事や生活のアイデアだらけでワクワクします。

 もし年収100万円で豊かに暮らせる方法を見つけたら、年収200万でも大金持ちじゃないですか?

 ということは誰でも「大富豪」になれるってことなんですよ。現代のメインストリートの脇にある路地のような道を歩んでいけば。

 これらの本で見つけた豊かで愉しいあれこれは、そのつど紹介していきたいと思っています。

 最後にみんなが嫌う『貧』の字について、もうひとつのとらえ方をご紹介。

 私のブログ「貧・望太郎」シリーズ「貧・望太郎の冒険 その2」より抜粋します。

名前の由来

 「貧・望太郎」とは変な名前である。ある日私は名前のわけを聞いてみた。

 「なんか貧乏たっらしくって変な名前だな。いったいだれが付けたんだい。『富・増太郎』って改名しない?いや冗談だけど」

 望太郎は軽蔑したような薄ら笑いを浮かべ、私を見てこう話した。

 「ノボさん。あんたも古いね。『貧』をよくないもんだと思ってるんだろう?」

 古い時代から来た人間に「古いね」といわれちゃ笑うよりほかない。

 「まったくあんたはおもしろいよ。顔が間寛平似のせいか、言うことまで彼と似ているね」

 そんな私の言うことなど聞いてないふうに、望太郎はやおら広告紙をさがし、その裏に筆で「貧」と書いた。

 「ほらこれ、『貧』っていう漢字の成り立ちは、貝(貨幣)を分け与えるってことなんだぜ。とってもだいじなことをこの漢字は言ってるんだ。『清貧』っていう言葉だってあるだろう」

 「わしの名は、『本来の貧』を『望む太郎』という意味さ。大した名前だぜ! といってもこの名前、日向子さんがこっちへわしを送るときに荷札代わりに付けてよこしたのさ。彼女には何か考えがあってのことだろう。本名はそん時に忘れたよ!」

参考
 貧・望太郎の冒険完結編
 貧・望太郎の冒険その4
 貧・望太郎の冒険その3
 貧・望太郎の冒険その2
 貧・望太郎の冒険その1