風の沢の風ノ介さん

 辺鄙な山の中に「風の沢」ミュージアムがありました。「風ノ介」というお名前は本名だそうです。まるで風の谷のナウシカみたいな素敵なネーミングです。
 宮城県栗原市一迫にある里山にそのギャラリーはありました。

 今まで何度もこの道を通ったことがあったのに、ここにこんな施設があるとは気づきませんでした。。。

 きっかけは、やはりとても田舎にある一軒の蕎麦屋でした。

 蕎麦を食べながらふと壁を見るとこんなポスターが。

 「段ボール彫刻」という何ともユニークな美術展が、ど田舎のかやぶき屋根の古民家で開催されとるというのです。

 開催前ですが、さっそく行ってみました。

 びっくりしました!

 里山の中腹に復元された古民家の凛々しい佇まい。周りもきれいに整地され、とても清々しい風景です。

 →「風の沢」ホームページ

 誰も居ないので裏に回っていくと、手作りの住居らしき建物があります。そこの煙突から穏やかに立ち上る煙。寝そべる犬。

 中には一人、どなたか居るようでした。(母上とのことでした)

 さらに進むと広大な広場に、土焼きの巨大なモニュメントが。。。

 そこに「風ノ介」さんがいました。大きな猫と一緒に。

 小雪降る夕方、しばし風ノ介さんと立ち話をしました。

 びっくりしました! 

 12年前、縁あってここの里山一万坪と古民家を手に入れた風ノ介さん。

 東京から一人でやってきて移り住み、会社経営をしているという母上の助力を受けながら、開墾に近い努力を続けてこられたようです。

 その後10年近くかけて、荒れ果てた土地と古民家を再生しギャラリーやお祭り広場を創り、様々なユニークな展示会やイベントを行うようになりました。

 その苦労をしのばせるように、タイヤをキャタピラーに改造した軽トラックがありました。

 入植?当時の写真を見せられてびっくりしました!

 こんなあばらや、こんな荒れた里山。。。だれが今の姿を想像できたことでしょうか。

 お話を聞き、ホームページやパンフレットを見て、この方の考え方は、私と少数の仲間たちで運営している「みんなの独創村」と、とても近いと思いました。

 さっそく4月22日から始まる展示会「紙思考」展にも行って、そこでさらに詳しい開拓史やらコンセプトやら、今後の計画などを聞いてきたいと思っています。

 最近とみに思います。身近にこんなにも多くの、ユニークな活動をされている方々がいたんだと。

 人はすべてを見ているように思っているが、大事なことは何も見ていないのかもしれないと。

 自分の眼で見よう、自分の頭で考えよう、と思ったとき、世界はいろんなものを見せてくれるようです。

 それと時間について思いを新たにしました、

 今の経済社会では「スピードが一番大切」とばっかし言われていますが、ここでは風呂場をつくるのにさえ数年もかかったというのです。

 こんな仕事の速度もあるのだと。

 はたして、どちらが人間にとって貴重なものだろうかと考えさせられました。