NPOが花形になる社会

 株式会社のDNAは「金」色、NPO(非営利団体)のDNAは「緑」色と勝手に思っています。社会により多くあってほしいのはどちら?と問われれば。。。さて?
 私もあるNPO(非営利団体)の理事をしています。

 今朝の新聞に、思わず「ほ〜!」と感嘆したNPO関連の記事が載っていたので紹介します。

 さて、NPOが急速に普及したのは1980年代、レーガン大統領のアメリカにおいてでした。

 レーガン大統領以前のアメリカのNPOは、自治体や政府など行政からの補助金を主な収入源にして活動していました。

 しかし、「小さな政府」を標榜するレーガン大統領が就任すると、NPOに補助金が下りてこなくなりました。

 その結果多くのNPOが経営を続けることができなくなり、解散に追い込まれました。

 しかし、生き残ったNPOは「自分たちの力で食べていけるようにしよう」という意識に変わり、ビジネスの手段、戦略を用いて自分達でお金を稼ぎながら、「最小の資源で最大の効果」を出すように社会問題にアプローチしていくようになったということです。

 そして今、アメリカのNPOは名だたる大企業を抑えて就職人気ランキング「ベスト10」に3団体も入るほどになりました。

 こんな団体が、世界の経済活動をもっともっと担えれば、経済社会に「人間性」を取り戻していけるかもしれません。

 日本のNPOも、彼らの「バイタリティ」というか、「野性」を見習いたいものです。

朝日新聞 2012.7.3

米NPO、日本でも採用 就活人気ランキング米で3位

 米国の就職人気ランキングで上位のNPOが日本に進出し、今月から採用活動を始める。NPOなどの非営利団体は米国では大学生の有力な進路だ。そうした流れを日本でも定着させようという試みだが、ハードルは高い。

 採用を始めるのはNPOのティーチ・フォー・ジャパン(TFJ)。米国のティーチ・フォー・アメリカ(TFA)の活動を広めるため、昨年末に提携した。

 TFAは、大学の新卒を雇い、貧しい地域に教師として2年ほど送りこむ。米国の大学生による今年の就職人気ランキング(人文学系)で、ウォルト・ディズニー社、国際連合につぐ3位だった。現地の団体などと提携して、日本を含む24カ国に進出済みだ。

 TFJは来春、30〜40人の教師を送り出す予定で、関東や関西の自治体に2年間の臨時教師で雇ってもらうよう交渉中だ。今月から大学で説明会を開く方針。8月に募集を始め、試験は秋と冬にわけて実施する。応募には小・中・高いずれかの教員免許が必要だ。

 TFJが雇って「派遣」するわけではなく、来春からの雇い主は送り出した先の自治体となる。TFJは「教師養成塾」との位置づけだが、送り出した後も定期的な研修を実施するなどして支援する。ただし、2年間、臨時教師をした後の雇用は保障されない。

 米国で就職先としてNPOの人気が高いのは、「著名なNPOでの職歴が転職活動で武器になる」(NPO関係者)からでもある。TFAでも3分の1が投資銀行など民間企業に移る。

 新卒一括採用が根づく日本ではNPOなどへの「寄り道」は就職に不利という意識が学生側に強い。米なみの支持を得るには時間がかかりそうだ。

     ◇

■米国の大学生(人文学系)の就職人気ランキング(2012年、ユニバーサム調べ)

(1)ウォルト・ディズニー社(メディア)
(2)国際連合(国際機関)
(3)ティーチ・フォー・アメリカ(非営利団体)
(4)グーグル(IT)
(5)国務省(官公庁)
(6)アップル(IT)
(7)ピース・コー(非営利団体)
(8)連邦捜査局(官公庁)
(9)中央情報局(官公庁)
(10)米国対がん協会(非営利団体)