バスに乗るばかりの国

 なでしこ初戦突破!早朝から録画で観戦したせいで、会社に出社するのが遅れてしまいました。そのおかげで、久しぶりに『武田鉄矢の三枚おろし』をラジオで聞きながらの出勤となりました。武田鉄矢も、彼が興味と関心を持つ人も、私の好みにとても合うのはお互い年頃が近いせいでしょうか?
 今日の『三枚おろし』では、福岡伸一さんと内田樹(たつる)さんの「DNAの二重らせん発見」についてのお話でした。

 もと生物部の私としては大変面白い話題でしたが、何よりもこのお二人の感性というか思考の出発点、分析の切り口が私と百パーセント波長が合います。ですから読んだり聞いたりするととても嬉しい思いがしてきます。

 ラジオを聞いた後、内田樹さんの最近のブログについて思いだしました。そして、今日はその話題について書いてみようと思いたちました。

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 どこもかしこもグローバル化を金科玉条として、会社のなかでは英語が公用語、これって当たりまでしょう。という「アメリカ国日本州」の「効率教拝金主義」の宗祖の方々。。

 「違うんじゃないの?」と私は大いに違和感と「貧乏くささ」を感じます。

 そんな違和感のわけを内田樹さんは明快に分析してくれます。

 「バスに乗り遅れるな」という言葉を例に出しながら。


 (→画像のサイトはこちら)

『内田樹の研究室』より

グローバルリスクについて

 ・・・いずれも「グローバルな競争」というゲームを「誰かがもう始めてしまった」ので、「オレたちは『バスに乗り遅れない』ために必死になるしかないんだよ」という悲鳴に近いものを私は聴き取った。

 「バスに乗り遅れるな」というのは日本人を鼓舞する最も効率的な言葉であるが、そこには「バスの行き先を決めるのも、バスを製造するのも、バスを運転するのも私たちではない」という深い諦観がこびりついている。
 
 人類がどこにゆくのか、その行き先を誰が決めるのかという問題について、それは自分ではないかということについて一瞬も考えたことのない人間だけが「バスに乗り遅れるな」という言葉に絶望的な切迫感を感じるのである。

 人口70万人のブータン国王は、「バスの行き先」について個人的なアイディアを語った。それに全世界が耳を傾けている。

 「人類の英知」というのは、こういう場合に用いるのである。

 「人類の英知を結集する会議」の参加条件を満たすために、まずベルリッツに通うというような発想をする人間には、誰も意見を聴きに来ない。

 永遠に。・・・
  →全文はこちら

 きのうは「しっぱいファンド」でやっている「スッキリにっこり事業プランニング」について、久しぶりのミーティングをしましたが、あれこれホームページを眺めていくと、どこもなんか「バスに乗り遅れるな」的で、かっこつけた丈が合わない背広を着ているような感じのところが多く、気持ちが萎えます。

   →愉しい!「しっぱいファンド」

 特に経営理念とかは横文字、空疎な理想的?な言葉だらけ。。。

 会社のイメージはみんなでニコニコ、日々挑戦の画一的イメージ。。。
 
 ほんとにこれなら「俺たちがバスの行き先を決めるぞ!」という経済社会になってておかしくないはずですよ。

 つまり、内容があまりないのにカッコだけ付けようという「貧乏くさい」ものだらけということですよね。

 これじゃ「「原発」を超えて新たな産業に挑戦しよう!」なんて人はほとんどいないでしょう。

 人様に使われる「性能」を「能力」と勘違いし、人様が考えたものを上手に使うことを「仕事」と考える国(州?)、それがニッポンです。

 ま〜、オリンピックで少しの間だけ気晴らししましょうか。。。