いつのまにやら「家畜の餌」

 豆腐や納豆の表示だけを注意していました。「遺伝子組み換え原料は使っちゃいないだろうな?」と。ところが、なんですかこりゃ!日本の食品メーカー、もうモンサントの遺伝子組み換え食品だらけじゃないですか!しかも子供のスナック菓子に。「俺たちは家畜か?勝手にやるな!」と訴えたいです。

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 私たちが知らぬ間に、モンサントの軍門に下った日本メーカー自らが、同胞の食事を「家畜の餌」扱いにしているんです。。。

 これじゃ、原発と同じですよ!

 「原発産まれて60年、安全神話に騙されて、ふりむきゃお釜が五十四!」

 さらにびっくりは、あのご老体で「原発推進の御旗」をどう猛に振り続ける経団連の米倉会長、彼の会社「住友化学」こそ、このモンサントの日本基地だそうじゃないですか!

 なるほど「原発」に肩入れするわけですよ。「遺伝子組み換え」も「原発」も商売の仕方がそっくりじゃないですか。

 『いつのまにやらシャブ漬け商売』ですよ。どっちも。

 なんたる「倫理観の欠如」か。。。

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 モンサント社のとても怖ろしい商売のしかた、福岡伸一さんが書いていました。

 最初に言っておきますが、モンサントのような商売は相手を自分と同じ「人間」とみなしてはできないはずです。家畜とみなしてしかできないはずです。

 モンサントは選民思想を持っているに違いありません。。。

 ベトナム戦争で、あの「ベトちゃん、ドクちゃん」をはじめとする多数の奇形児を生んだ、あの悪名高き「枯れ葉剤」を作って大もうけしたのもモンサントです。

福岡伸一「動的平衡」より
第4章 その食品を食べますか?

バイオテクノロジー企業の強欲

 人体実験といえば、遺伝子組み換え食品も同じである。食べたその日や翌日に何か異常が起こるというような急激な毒性はないかもしれない。しかし、遺伝子を組み換えるということは、生物に不自然な負荷をかけることである。

 まったく別の遺伝子を導入された植物や動物の平衡系は乱されることになる。すると生物は平衡を取り戻そうと何か別の反応をするだろう。これは一種の「ストレス応答反応」で、生物の中で何か通常とは違う変化が起きうることを意味する。本来、食品の中にあっては困る新しい物質が作られているかもしれないのである。

 今、日本人は遺伝子組み換え食品を直接的には食べていない。醤油や豆腐や納豆のパッケージには、その材料に遺伝子組み換え大豆が使用されていないことが記されている。

 しかし、それで安心だろうか。アメリカで大量に生産されている遺伝子組み換え作物の大部分は家畜の飼料になっている。その飼料で育てられた家畜の肉を、私たちは食べているのである。

 科学的に「安全だ」とされる遺伝子組み換えが、何のために行われているか。理由はアグリビジネスが儲かるからに他ならない。

 さて、モンサントの悪徳商売はどういう仕掛けでしょうか?

 アメリカにモンサント社という、バイオテクノロジー企業がある。遺伝子組み換え技術を使ってさまざまな「商品」を生産しているのだが、「ラウンドアップ」という強力な除草剤も開発していた。これを撒くとペンペン革も生えない。もちろん農作物自体にも作用して枯らしてしまう。

 そこで、モンサント社は「ラウンドアップ」に耐性を持つ遺伝子を大豆に組み込んだ。こうすれば、その大豆を畑に播いて、ヘリコブターから「ラウンドアップ」を振りまいておけば、農作業はまったくの手間いらず。これで、モンサント社は自社の除草剤「ラウンドアップ」と遺伝子組み換え大豆をセットにして販売することができる。そして、実際にそうした。

 おまけに、念入りにも(そうしないことには商売にならないから)、遺伝子組み換え大豆に一年しか使えないような細工(不稔性)をした。こうすれば、農家は毎年、種をモンサント社から買わざるを得ない。とらぬ狸の皮算用とは、まさにこの時点でのモンサント社のためにあるような言葉だった。

 この遺伝子組み換え大豆と「ラウンドアップ」 のセットが世界的に拡がれば、ダブルで、しかも毎年儲けられるモンサント社の一人勝ちになる。

 やるもんですね〜。根こそぎですね。地雷を作って地雷除去機も売っている日本の某企業もこれを見習ったんでしょうか。

 しかし、この戦略は、大きな逆風に曝されることになつた。まずはヨーロッパ諸国が遺伝子組み換え作物に嫌悪感を表明した。これには安全性への懐疑が前面に押し出されてはいたが、アメリカ資本がヨーロッパの農業をコントロールしてしまうかもしれないことへの危機感から生じた、ある意味では当然のリアクションだった。

 そして、日本でも大豆製品にはことごとく「遺伝子組み換え大豆を使用していません」の表示が躍るようになり、商社は「非組み換え作物」を求めて買い付けに走ることになった。

 やれやれ。。。これで安心かと思っていたら、豆腐や醤油で目をそらせている間に、いつのまにやらこのザマです。。。

 そして欧米エリート軍団の思想はただひとつ。「ネバー・ギブアップ!」

 モンサント社は、遺伝子組み換え大豆の世界戦略では失敗したが、そんなことくらいではちっとも懲りていない。さまざまな食用作物の遺伝子を組み換え、除草剤耐用種子を作り出し、「ラウンドアップ」とセットで儲けようとしている。

 企業だから、儲けようとすること自体は悪くはないのだが、そのやり方を見るとあまりに強欲で自分勝手だと思う。一九九八年、カナダ・サスカチエワン州で農業を営んでいるシュマイザー氏は、モンサント社から訴えられた。同氏がモンサント社に特許料を支払わずに除草剤耐用ナタネを栽培したので、それで得た利益を「返還せよ」と言うのである。

 シュマイザー氏は、モンサント社の除草剤耐用ナタネを使用しておらず、種子は毎年、自分の畑から獲れたものを使用していた。しかし、同氏の畑から収穫されたナタネからモンサント社の除草剤耐用遺伝子が確認されたのだった。

 小学校で習うことだが、植物の種子は、その花のメシベに花粉がつくことで形成される。メシベに花粉を運ぶのは風であったり、昆虫であったりする。

 シュマイザー氏は近隣の農家がモンサント社の除草剤耐用ナタネを使用し、その花粉が自分の畑に運ばれた、あるいは畑が接している道にモンサント社の除草剤耐用ナタネの種子が落ちたためだろうと主張した。

 これに対して、モンサント社は次のような反論をした。いかなる理由でシュマイザー氏の畑に除草剤耐用ナタネが出現したかはどうでもいい。自分たちが所有している特許権が侵害されたことにかわりはない。ゆえに金を払え。

 いったいこのイカサマ勝負どのようになったのでしょう?まさかモンサントが勝つとかなかったでしょうね?

 遺伝子組み換え大豆で明らかになったように、世界の市場は遺伝子組み換え食品を嫌った。日本でも欧州でも商品にならない。そして、有機栽培で生産した大豆に、少しでも遺伝子組み換え大豆が混入していると、人間用の食品としては売れなくなるのである。

 これは、有機栽培農家にとって恐怖である。風や昆虫が遺伝子組み換え個体の花粉を運んできてしまったら、努力はすべて無に帰す。それを防ぐ方法があるだろうか。有機栽培農家からみれば、自分たちこそ、モンサント社などの遺伝子組み換え種子によって被害を受けているということになる。

 ところが、カナダの下級裁判所は、モンサント社の言い分を認めてしまった。もちろんシュマイザー氏は上告した。そして、二〇〇四年にカナダの最高裁は次のような判決を下した。

 「除草剤耐用ナタネにモンサント社が特許権を持つことは認められる。ただし、除草剤耐用ナタネが混入したことによって、シュマイザー氏は利益を得ていないから、モンサント社への損害賠償は免除する

 どこまでえげつないんでしょう。焼き肉を焼いているお隣さんが、「うちの料理の匂いを嗅いでご飯食べてるんだから金払え!」といってるようなもんです。

 一方、シュマイザー氏側も黙ってはいなかった。妻のルイーズさんが「有機農法で育てている自分たちの菜園が遺伝子組み換え作物によって汚染された」とモンサント社を訴えたのである。こちらの裁判の結論はまだ出ていないようだが、一度、遺伝子組み換え作物が出回れば、こうしたトラブルが続発するということである。

 ちなみに、最近になってカリフォルニア州ではアグリビジネス企業による一方的な訴訟に歯どめをかける法案が成立した。

 これで少し安心かと思いきや、実はモンサントは日本の『経団連』チームと組んで「ステルス作戦」を実行していたというわけです。

 プロジェクト名は「ニンジャ」?

 住友化学も食品メーカーもまるで時代劇の「えちご屋」に見えます。官僚たちは同じくちょんまげ帯刀の「悪徳役人」たちのようです。

 私たちはといえば、帯を解かれて「ひえ〜〜」と叫んで犯される「町娘」みたいなもんです。。。

 「商売」の倫理はことごとく堕ちたものだ、というより危険になったものです。

 昔からかな〜。でも危険度は今と昔じゃ雲泥の差です。

 こんな会社に勤める人は、原発企業や電力会社に勤める人たちのように「正しいことをしている」と自己欺瞞をしているのでしょうか?

 それとも「生活を守るため」に見てみないふりをしているのでしょうか?

 そんなふうに自分を殺さないと生きていけない「会社中心の社会」とは、いったい「私たちが住むべき社会」でしょうか?

 とても経済界に幻滅と憤りを感じる昨今です。

 →なぜTPPを推進するのか 経団連米倉会長 ボロ儲けのカラクリ

 →グレーは白黒どっちに?