ヒトラーと有機農業

 びっくりしました。ヒトラーや副総統ヘス、親衛隊隊長のヒムラーたちはみな有機農法の菜食主義者だったんですね。。。
 藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)という本の書評が新聞にのっていました。

 ネット検索したら次のブログに出会いました。

 →栽培生活blog

 実際に本を読んでないくせに、あれこれ書くのは申し訳ないんですが、この方のブログ(この本の読後感想)を読むだけで驚くべき事実を知ることができ、ついテーマにしてしまいました。

 その事実とは?

・ナチスは有機農業を国の方針としていた

・ヒトラーはじめ幹部も有機農業の菜食主義者だった

・ヒトラーは動物愛護の法律をつくった

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 「農業」それも「有機農業」と聞けば、連想するのはこんな言葉たち。

 「いのち」「自然」「暮らし」「地方」「健康」「質素」「温和」「親愛」「持続」「謙虚」「太陽」「大地」「平和」・・・・・

 それが。。。なんと「ナチス」ですよ!

 どうして有機農業的思想や動物愛護の思想がホロコーストに結びつくのか?実に不思議です。

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 ブログから引用させていただきます。

 アードルフ・ヒトラーは、1933年11月24日、「動物を不必要に苛めたり手荒く虐殺すること」(第1条(1))と「麻酔なしの非専門的方法で動物に苦痛をともなう手術を行うこと」(第2条の(9))を禁じた「動物の保護に関する法律」を定め、1934年7月3日には狩猟の制限を定めた「狩猟に関する法律」、1935年6月26日には、「帝国自然保護法」を制定していたのである。

【ボリア・サックス『第三帝国における動物たち――ペット、スケイプゴート、ホロコースト』】

ナチスのやり方は、動物と人間とのあいだの境界を曖昧にすることで、人間の殺害を動物を殺すように見せることだった。

仕事で栽培や牧畜をしたことがある人ならば分かると思いますが、それらの活動には、優生思想が深く浸透しています。充実した種を選んで、畑に植えます。遺伝する障碍がある家畜には、子を産ませません。こういう優生思想に、非ドイツ人種への偏見を結びつければ、人びとの意識は、容易に迫害へ向かいます。

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 私たちが無条件に「善」と信じている「自然との共生」、その手段の一つである「有機農業」。

 こういうものですら、政治と結びつき、言葉(論理)というもので加工されていくと、まったく正反対の世界へ加速するエンジンになってしまう。。。そんな怖さを感じました。