アメリカ王子とチャイナ王女

 原子模型が太陽系と似ているように、国々の関係も巷の人間社会とよく似ている気がします。アメリカ、日本、中国はもともと三角関係みたいです。だからこじれるんでしょうね。

 こんなブログを書こうと思ったのは、次の記事を読んだからです。

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中国共産党トップの85%の家族が外国籍

2012年6月15日 萬晩報主宰 伴 武澄

 有名なメルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で驚きのニュースが中国情報が配信された。「共産党トップの85%の家族が外国籍」という5月28日発売号の香港誌『動向』のニュースだ。驚きと言うより、アジアの経済大国として哀しい思いである。

 メルマガによると「共産党ヒエラルキーは政治局常務委員9人、政治局25人(左常務委員を含む)。そして、中央委員、中央委員候補の四層からなるが、中央委員204人のうち187名の家族親戚は海外居住、すでに外国籍を取得しており、中央委員候補167名のうち142名が同様に海外拠点、外国籍保有という凄まじい実態が判明した」という。

 つまり中国共産党幹部の家族親戚のほとんどが中国人でないということである。20年以上前、アジア経済を取材していたとき、台湾で聞いた話であるが、海外留学組の3分の1も帰国しないという悩みである。欧米に留学してそのまま欧米有力企業に就職してしまう、「頭脳流出」という悩みだった。

 台湾ではいつか中国に飲み込まれてしまうという懸念があり、海外に籍を置いて仕事をすることにはある程度理解ができることだった。しかし、世界第二位のGDP国にのし上がり、いまだに高い経済成長率を維持している国家の指導層が国を捨てるという意味が分からない。

 宮崎さんは「嵐の前に蟻も蛙も安全地帯へ逃げる。共産党支配、まもなく瓦解するのではないか」と書いているが、もし本当ならば、中国は国家の体をなしていないということになる。それどころかアジアの矜持すら持っていないのかもしれない。そう考えると哀しくなる。

 20年前まで日本がアジアで唯一の経済大国として欧米と互角に戦ってきた。筆者としては中国にその矜持を引き継いでほしいと考えてきた。人口や国土の広さからみて本来は中国がアジアのエンジンの役割を果たすべき国家と考えてきた。日本が20世紀にエンジン役を果たしてきたのは「仮の姿」なのだと思ってきた。

 その中国が21世紀に入ってようやくその役割を果たす段階に入ってきたはずなのに、中国共産党指導層の志がこの体たらくである。その程度の志の国家だったのかと思う時、だから中国が西洋各国によって分割されたのだと考えざるを得ない。

 もう一度、孫文の革命精神に立ち戻り、アジア復興の中国であってほしい。

 やれやれ。。。

 「共産主義」という名の、実は「史上最速の資本主義」

 どこにも負けない「格差社会」

 「富裕層」という名の「物欲まっしぐら集団」
 
 ここまで書いてて、「あれ?これって、アメリカと同じじゃない」と筆が止まります。

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 数年前、ここ古川に来た寺島実郎さんの講演会でのお話を思い出しました。(記憶だけで書いてますから多少の脚色あります)

 「日本はアメリカに片思いなんです。昔からアメリカは中国に強い恋心を抱いていたんです」

 「なにせ、裕福な資産家、四大文明のひとつという由緒ある家系。こんな中国娘をアメリカはずっと熱く望んでいたんです」

 (アジアの第二婦人というかお妾さんといったところですね)

 「ところが、太平洋戦争以後、いよいよ力づく金づくでなびかせようとしましたが、中国娘は毛沢東の共産党に支配されてしまいました」
 (アメリカから言わせると「悪徳霊能者」に洗脳されたということですかね?中島なんとかさんみたいに)

 「そこで、代わりのお妾さんに選ばれたのが「日本」ってわけです。復興支援という多額の持参金を中国娘ではなくて、つい最近まで刃向かっていた小柄でやんちゃで小さな家の日本娘に切り替えて渡したんです。しょうがなく」

 「なにせ、朝鮮戦争が始まり、近くに妾の家がないと、とても不便だったものですからね」

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 「そして今や、中国は共産主義の中身というか方法が変容し、アメリカや日本と同じ資本主義国になろうとしています」

 (アメリカは『民間資本主義』で中国は『国家資本主義』だと言っている方がいましたな)

 「アメリカ王子としては、今こそ本命のチャイナ王女とくっつきたい、と考えているわけです」

 (だから、田中角栄がアメリカの許可も得ないで中国と国交回復したから失脚させられたんだな?妾同士で手を組むな!と)

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 こんな流れが底にあるんですから、日本が「アメリカ王子様、あなたのいうとおり、とことん尽くします。私だけを愛して」と言ったって、相手が腹の底でどう考えているか、行く末はどうなるか、女性週刊誌の見出しを日々読んでいればわかりますよね。

 もともと、アメリカ王子とチャイナ王女は考え方がとても近いと思います。

 英語で「I Love You」(私は 愛します あなたを)

 中国語で「我愛汝」 (われ 愛す なんじを)

 日本語は「私は あなたを 愛します」

 文法的に、英語と中国語の親和性は日本語よりずっと高いようです。(あまり専門的なことはわかりませんが)

 私たちの脳構造や文化形態がそれぞれの言語体系を生み出し、それが私たちの思考習慣を育んでいるとしたら、アメリカ王子とチャイナ王女は「ロミオとジュリエット」のように、似たもの同士惹かれ合う関係といえるでしょう。

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 そんなわけで、本命を知った先の妾「日本」はどうするか?

 「お妾連合」なんかもいいな、と考えていたうちに、なんとチャイナ王女は大胆にもアメリカ王子の寝床に押しかけていた、ということですよね。最初に紹介した記事は。

 やれやれ。。。アメリカ王子との今後の関係は、政治家よりも芸能レポーターに聞くのがよいかもしれません。

 日本娘は妾をやめて自立し、自分の裏庭に畑を作ってつつましく平和に暮らすのもいいんですけどね。