尖閣ひょうたん島

 尖閣諸島の写真を見たら「ひょうたん」みたいな島もありました。つい昔懐かし「ひょっこりひょうたん島」を思い出してしまいました。原作者の井上ひさしさんは、もしかして今日の「尖閣問題」を予知していたんでしょうか?
 小さな島に、中国、台湾、日本国、東京都ぞくぞくと上陸です。国旗を持って。

 ふと、「ひょっこりひょうたん島」みたいに、この島が漂流を始めたらどうなるのかな?と思いました。


尖閣ひょうたん島

 天才作家とは予言者かもしれない。

 今さらながら、あの人がそうだったのか?と気づかされることがある。

 たとえば「小松左京」、彼の書いた「日本沈没」はフクシマの悲劇と重なり合う。

 間一髪、露出を免れた福島第一原発4号機の使用済み燃料プール。

 もし3.11に、修理中であった隣の建屋に貯まっていた水が流入しなければ、「日本沈没」の絶望的な避難は現実となっていただろう。

 いや、今でもその危険は続いている。。。

 小松左京氏はこの小説を現実に起こりうることと強く感じ、執筆後長い間鬱状態であったらしい。

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 そしてもう一人は「井上ひさし」、彼の「ひょっこりひょうたん島」も何かを予言していたと思えてきた。

 石原都知事が「尖閣諸島」を買いに行くと言って、火を付けてから1年が過ぎた。

 その後毎日のように、日本、東京都、中国、台湾と競って上陸合戦が続いていた。

 ついに、中国の過激活動家が島の近くに「機雷」をしかけ、威嚇は危険な水準にまでエスカレートしてきた。

 しかし、物売り、物買いにたけた、お互いせこい国民同士、話し合いがもたれて一時休戦。

 仕掛けた「機雷」は爆破処分することになった。

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 その次の日から「尖閣諸島」は漂流をはじめた。。。。

 機雷があまりに強力で、島の根っこに穴が空き、そこを海流がえぐって「浮島」になってしまったのだ!

 その日はちょうど石原慎太郎氏が上陸し、目をパチパチしながら咆えていた。

 さらに彼を支援する橋下国会議員も、大阪都の「おばちゃんたち」を多数引きつれて、島の大見学会を企画実施していた。

 彼は東京都から大阪都に安く譲ってもらい、入墨の職員をここで入国監視員にしようと考えていたのだ。

 大阪のおばちゃんたちを味方にすれば百人力だと、やはり大阪生まれの彼はよ〜く知っていた。

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 ちっちゃな島なので、漂流はとても速かった。

 さらに海流や風の影響で、あっちこっち海を動き回り、巡視船もついていくのが大変だった。

 シンタロウもトオルも漂流には面食らったが、さすが役者が違う。

 シンタロウは即「独立国」を宣言した。

 彼の一生の夢「大統領」は、このとき、ついにかなった。

 トオルはシンタロウを立て、その後釜を狙って、二番目の大きさの島の「首相」になった。

 三番目の大きさの島では、なんと!そのころ選挙で敗れ、下野していた韓国の李元大統領が「酋長」となっていた。

 彼は泳いでやってきた。ここで巻き返しを図るつもりだ。

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 それから、さらに1年が過ぎた。

 かれらはさすがに「口舌の徒」「トリックスター」であった。

 国連へ独立国として承認せよと迫り、国際政治のキャスティングボートを握ろうとあの手この手を繰り出した。

 さらに、北朝鮮や中東と連携し「尖閣ひょうたん島」に核兵器を備えて威嚇した。

 中国も空母で迷走する島を追っかけていたが、今や島自体が「空母」になっていて、中国も威嚇の効果が出ない。

 「尖閣ひょうたん島」の内政はといえば、外務大臣には大阪のおばちゃんがなっていた。

 おばちゃんたちは状況にすぐ順応する。

 さっそく、島に韓流スターをよんで日本海刺身ツアーを企画したり、各国と貿易というか値切り交渉というか、得意技を発揮しまくっている。

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 なんだこうすればいいんだと、全世界の小さな島々が漂流を始めたのはいうまでもない。

 十年後、国の数が千を超し、国境という概念が著しく変わってしまった。

 その頃、あの世では、シンタロウが「俺の手柄だぜ!」と大いに威張っていた。

 そう、あの45年前のNHK名作番組「ひょっこりひょうたん島」の大統領「ドン・ガバチョ」とは、わが石原慎太郎氏であったのだ。

 本日は、書きなぐりお馬鹿小話で失礼しました。。。