年末年始に共感した話

 年末年始「なるほどな〜」と共感した社会・政治論評がありますので載せておきたいと思います。
 まず元旦の河北新報から。

 作家・高樹のぶ子さんの新春エッセー「未来を信じて」からです。

河北新報 2013.1.1

 日本には強くなってほしい。このところ切実にそう思う。もちろん軍事力のことではない。核兵器などという使えもしない装備で囲を守ろうとするのは北朝鮮レベルの弱い国だ。核兵器以上に「侵しがたい」と思わせるもので防衛されなくてはならない。強い国とは、外に向かって打って出る力のことではなく、この侵しがたい何かによって守られている国のことだ。

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 時の権力と反対の方向性を持つこのような記事を大きく載せたことに、まだ枯れてはいない地方新聞の反骨の矜恃(きょうじ)を感じました。

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 次は年末の朝日新聞から。

 精神科医・斎藤環(たまき)さんの論評「ヤンキー社会の拡大映す」です。

朝日新聞 2012.12.27

 ――ぐっと右傾化して、自民党が政権に復帰しました。

 「自民党は右傾化しているというより、ヤンキー化しているのではないでしょうか。自民党はもはや保守政党ではなくヤンキー政党だと考えた方が、いろいろなことがクリアに見えてきます」

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 これくらい「なるほど!」と思った分析はいまだありません。

 中学校、高校生活を思い出せば、だれでも「同じじゃないか!」と気づくことでしょう。

 ヤンキーが悪いということではありません。

 ヤンキーゆえの思考や行動が行きすぎて「取り返しのつかないこと」をしでかすことがとても心配なのです。

 「取り返しのつかないこと」とは「戦争」や「放射能」のことです。

 そのブレーキが「憲法九条」であり「脱原発」だと思うのです。

 残念ながら、ブレーキをとても邪魔に感じて壊そうとしているようです。。。

 ヤンキーが暴走族にならないよう祈るばかりです。

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 次は武道家にして哲学者内田樹(たつる)さんのブログ「新年のご挨拶がわり」です。

2012.12.31 「内田樹の研究室」より

 ・・・震災だの原発事故だのという「辛気くさい話」はもう止めたいのだ。それよりはもっと「景気のいい話」をしようじゃないか。相当数の日本人がそういう気分になっている。その苛立ちが列島を覆っている。

 ・・・でも、「口を動かすより手を動かす」という謙抑的な構えをとる人たちにメディアはすぐに関心を失ってしまう。メディアは、その本性からして、「ぺらぺら口を動かす人間」「何かを激しく攻撃している人間」を好むのである。そういうふうにして日本人はいつのまにか二極化しつつある。それが「ポスト3・11」のもっとも際だった日本社会の変化ではないかと私は思う。
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 年末に私たちが選んだのは「バック・トゥー・ザ・フューチャー」逆噴射政治でした。。。

 その方向性は、天皇元首制、軍国化宣言、経済成長至上路線、格差拡大容認、原発推進です。

 文中の最後の文章に希望を見出すのみです。

 苛立ち、怒声を上げている若者たちは目立つ。だから、世の中には「そんな若者」ばかりだと人々は思っているかも知れない。だが、静かな声で語る、穏やかなまなざしの若者もまたそれと同じくらいに多い。彼らに日本の希望を託したいと私は思っている