背広姿でプチ登山 その4(頂上間近)

 股関節痛ジジイの禿岳(かむろだけ)頂上への果てしなき挑戦、今日は自分でもびっくり、5合目を目指したのになんと7合目を越え、もうすぐ8合目というところまで登りました!帰りはそれこそ大変、命からがらなんとか下ったという感じです。とても疲れました。。。
 先週の金曜日に禿岳4合目まで到達し、今日は5合目を目指すはずでした。
 
 4合目から5合目が一番キツイらしいと聞いていましたので、無理せず行こうと思って11時45分に登り始めました。

 たすき掛けバッグには、スポーツドリンク500cc1本、十六茶250cc1本、おにぎり2個、乾燥梅干し1袋を入れました。

 50代の男性、40代の短パンスタイルの女性のペアが私の後から登りましたが、すぐに追い越されました。

 この二人はずっと会話しながら登っていましたが、元気な証拠でしょうね。

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 4合目までは先日よりも5分くらい早く着きました。

 ここからが、とてもキツイ!

 数百メートルにわたりトラロープが張られています。

 夢中で登っていたせいか、なんと5合目を見落としてしまい、いきなり6合目に到着しました。

 4合目から6合目まで25分くらいかかりました。
 

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 ここで出会った下山者に、この先は少し楽になると聞いたので、もう少し行ってみることにしました。

 そして十数分後、7合目に到着です。

 時刻は13時20分くらい。

 ここでまた下山中の60代くらいの男女ペアと出会い、「この後、頂上まで案外楽に行けるよ」と言われ、無謀な野心がメラメラと燃えてきました。

 (もしかしたら、頂上まで今日行けるんじゃないか? 登ってしまえば下りは何とかなるさ。)

 (ブログに何と書こうかな、「一気登りしました!」なんてタイトルにしてかな〜)

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 さて、7合目から先は頂上も間近に見え、しばらく稜線歩きが続きたしかに楽でした。

 ところがこの先。。。

 絶壁のような稜線に幅50センチくらいの登山道が現れ、あろうことか、高所恐怖症のごとき「立ちくらみ」「めまい」がして、どうしても足を踏み出せないのです。
(写真も撮れませんでした。。。)

 若い頃も様々な山登りで似たような経験はありますが、「めまい」はありませんでしたし、何とか歩き通したものです。

 64歳、しかもギリギリの脚力でここまで来た現在の私は、昔の私とはもう別人だと(当たり前ですが)強く意識しました。

 まるで絶壁を登るに等しい恐怖を感じ、「めまい」をなんとしても克服できませんでした。

 脚力、体力だけでは突破できない精神の壁を感じ、これでは今後も頂上を目指せないな〜と、落胆してしまいました。

 思わぬ高みにたどりついた喜びと、取り除けぬ恐怖心への落胆、相反する気持ちを抱きながら向きを変えました。

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 しかし、実はここで引き返したのが天の救いだったのです。

 この後の下山の大変さ。。。

 よくもこんなところを登ってこられたもんだ!と思うくらい、(私にとっては)とても過酷な下り道中でした。

 いつもの小さなお茶に加えて、スポーツドリンクを1本持ってきたのが正解でした。

 股関節は底苦しさを増し、何度も何度も休みながら、命からがら下り続けましたが、水分補給をこまめにしていたせいで、脚は大変でも体力はなんとか大丈夫でした。

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 ようやく3分の2ほども下った頃、一緒に登り始めた話好きの男女のペアの声が聞こえてきます。

 ほどなくして追いつかれましたが、ここで思いがけないことを知りました。

 私が「頂上どうでした?」と聞いたら、男性の方は「実は私たちも途中下山なんです。9合目まで行きましたが、稜線の日射が強すぎて熱射病になりそうで戻ったんです」と言うのです。

 思わず私は「私なんかと違って、9合目という頂上直前で引き返すなんて、とても勇気が要りますね〜!」と、驚きの言葉を発してしまいました。

 でも、この方々でさえ引き返したんだ、ということに何か救われたような気もしたのです。

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 股関節の痛みと闘いながら悪戦苦闘の下りの2時間。。。

 ついに登り口付近の、いつもの昼食場所へとたどり着いたのは15時30分でした。

 疲れ切りました。。。

 私のペースでもし頂上まで行ったとしたら、ここに着くのはきっと17時30分を過ぎたことでしょう。

 夕方は何かと不安だし、家に帰る頃は真っ暗です。

 というより、今の脚の状態からして、ちゃんと戻れたかどうかも怪しいものです。

 花立峠には私の車1台だけです。

 今もそうですが、何かあっても私しかこの山にいなかったわけです。

 ですから今日は頂上まで行けなくて(実は無事で)幸運だった、ということです。

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 本日は牛歩山行ながら、約4時間という私の脚にとっては信じられないような勲章的山行をなしたのですが、

 (頂上への挑戦はこの後どうしたらよいのか?)

 (あの馬の背をわたるには一体どうしたらよいのだろうか?)

 など、少し複雑な気持ちを抱えながら、帰路のハンドルを握っていました。

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