ジャガイモ掘りの日曜日

 ジャガイモといえば、小さい頃はあんまり嬉しくないニックネームでした。しかし、かつてヨーロッパを飢饉から救ったといわれるジャガイモ、けっしておろそかにしてはいけない食べ物ですよね。さて今朝はそのジャガイモ掘りで汗を流しました。
 今年の12月がくれば満八十八歳になるわがおじいさん(父)から畑仕事の直伝です。

 私は、農家仕事は全然経験ないんです。そのくせ、というかそれだから農作業に強くあこがれてもいるんです。残念ながら私は足が少しだけ不自由なので、あこがれだけが99%といったところなんですが、今日は長老つまり私の父より「手伝え」という命令があり、長くつ姿で畑へ出動しました。実践農作業初心者コースです。

 やってみるとおもしろいですね。よけいなことを考えずに夢中になれるし、土をいじるとひ弱になった触覚や嗅覚も甦ってきます。

 陸上競技している小さな虫たち、ブンブン飛行隊の蜂たち、ひらひら余裕の蝶々たち。こんな狭い畑の中だけでもいろんな生き物が暮らしているもんだなと気づきます。

 こんなことは日常生活でまったく忘れてしまっているし、自分たちだけが地球の生き物みたいに錯覚して暮らしていることに気づく。畑はじつに偉大な先生です。

 さて話は少し変わってイモの味についての話です。小さい頃はガキ大将の命令で、秋になると落ち葉を集めて焚き火をし、火の中に芋をいれて焼き芋大会をするのが恒例でした。思い切り火遊びするのでとても楽しみでした。

 ところが焼く芋はそのときどきの都合で、つまり家にあるものを各自持ってくるので、さつまいももあればジャガイモもある。焼いた芋を選ぶのはランダムなんですが、自分の分がジャガイモにあたったときはとても残念に思ったものです。それだけ昔のジャガイモは美味くなかったということなんですが・・・

 でも今は全然その頃と味が違う。品種改良された最近のジャガイモはさつまいもを超えている感じです。

 これからは「ジャガイモ」こそがステキなニックネームになるんじゃないかな?