健康診断百景

 今日は毎年1回、恒例の緊張日「健康診断」です。私の検査場所は仙台駅近くの高層ビル「アエル」にあります。とてもりっぱな施設ですし、スタッフも若い女性が多くみんな親切です。自分も含めてあれこれ眺めていると実におもしろいものです。帰ってきたばかりですが忘れぬうちに日誌に書いておきます。

 まずは事務服姿のきれいなコンシェルジェ姉さんが受付兼ガイドをしてくれます。この時点ではレストランとかホテルの感じですね。


 つぎに検査受付係へ。毎年あれっ?て思うのですがここにだけ推定65歳以上と思われるばあさんがでんと座っているのです。長火鉢とキセルがあればまるで江戸時代、郭(くるわ)のお内儀(おかみ)みたいですよ。


 そして着替え、青い上下の服を着てここから一気に囚人へと立場が変わります。カルテを持たされ順番にあっちこっちの検査場所をまわります。まるで過去の罪状を調べられているように。

 時々ちょっと痛い思いをさせられます。「嘘ついたらもっと恐いからね」と注射針を刺され血を抜かれます。

 メタボ検査はお笑いコーナーです。毎年のことなのに中年オヤジはみんな無意識に腹を引っ込めます。でも必ず「いきを吐いてください」と言われみんなガッカリ・・・、あ〜今年もビールを飲みすぎた・・・

 楽しみなのは「腹部超音波検査」薄暗いベッド一つの個室が3カ所、そこで若い女性が(主に)検査してくれます。たった二人きりの密室です。オヤジは腹をむかれ、なにやらどろどろしたものを塗り立てられて、あっちこっちバーコードスキャナーのような道具でいじられ続けます。

 ところが今年はどうしたわけか、私の担当はハゲオヤジ先生でした・・・あ〜妄想のバチがあたったんだ・・・

 血圧検査も面白いですね。やはりこの人ならさもありなんという風貌の方が何度も何度も計り直しです。機械が悪いんじゃないの、あんたの血圧が高すぎるの!

 島流しの囚人の最後はやはり「拷問」です。バリウムというとんでもない自白剤を飲ませられ、回転する板の上に載せられて、あっちの向きだこっちの向きだ、やれぐるっと回れとか、若い女にガラス戸越しにあれこれ指示をされ棒につかまり動き回ります。最後は機械で腹部をぐぐっと圧迫。発泡剤まで飲ませられたので今日は思わず「ブ〜」と尻から悲鳴が出てしまいましたよ・・・

 でも拷問でシロとわかったのか無罪放免、解毒剤ならぬ下剤を渡され帰っていいよと言われます。ようやくたどり着いた仙台駅、しかし、これからまもなく腹下しとの闘いが待っています。