ファーストクラス症候群

 「静脈瘤」の病気と違うんです。「現代科学の粋、飛行機のファーストクラスに座り、高級ワインを飲みながら、まるで鳥が地上を眺めるように、地べたで暮らす人々の為すあれこれを、まるで他人事のように傍観し批評する病気」のことなんです。

 不思議なことに、地べたで暮らす日本人の多くが無意識に感染しているらしいです。それもけっこう若い人たちが

 そういう人々は、「高い上空から眺めている」ので「原発」も「戦争」も他人事なんです。

 機内で「効率」とか「確率」とか「現実的に」とか語ってるんです。大所、高所から。。(高所はそのとおりですね)

 この病気の原因は、ちょっとした「心の仕掛け」にあるようです。

 私たちが無意識に陥りやすい「罠」のようです。

 (「ファーストクラス症候群」っていう言葉、ずいぶん前ですが、野田正彰さんの本で見たような気がします)

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 それではディアドクターさんの「心の声が聴こえる聴診器」で診察してもらいましょう。

 「無免許医師だって?」

 「そんなの関係ない。彼が開拓した診療科なんだから」

 「そ〜ら、聞こえてきたぞ。無意識の心の声が。。。」

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心の声。。。

 (私のあこがれる強いあの人、強いあの国、カッコイイあの政治家、サクセス街道まっしぐらのあの大金持ち。あ〜、私はあの人たちの大ファン!)

 (私にはなしえないことができる強き人たち。私は無条件にあの人たちの側に立ちます。あの人たちの頭で考えるとおりに従います。)

 (そうすると、地べたで暮らす私ですら、あの人たちと同じファーストクラスに座って地上を眺めている気がしてくるんですよ。。。

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 この病気はとても変わっています。

 多くの人が、この病気に罹りたがるのです。

 しかも伝染性がとても強い。

 なぜかな〜?と思ったら、虚栄心が満たされ、さらに「自分頭」で考える必要がなくなるからなんですね。

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 こんな風潮を追い風に、「日本三文役者劇場」にも変化が生じ始めています。

 それは、この病気に対する人々のあこがれを利用して、「強いふり」をする政治役者たちが、ワンサカ地の底から顔を出してきたんです。

 一度死んだと思った人も、「ゾンビ」のように総裁選とかに出るそうです。

 なにせ、「日本三文役者劇場」の大御所悪役三人組「ナベツネ・ハマコウ・シンタロウ」のうち、自民党ヤクザ派のハマコウさんが亡くなったからその後釜を狙っている人も多いようです。

 →西部劇の「三典型」

 日活系無頼派知事シンタロウ氏の後釜は大阪で継ぐらしいです。

 虚人軍オーナーかつ経団連機関誌社主ナベツネ氏の後釜争いはまだ戦国時代のようです。

 売れっ子ゴーマニストが原発造反してしまったあの新聞かな?もしかしてNHKかも?

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 もっと重大なのは、新聞記者、放送記者まで、この病気に罹ってしまう人が増えてきたんです。

 新聞記者、放送記者が多数感染した証拠みたいな記事がありますので紹介しますね。

 →日本のテレビ局はなぜ反原発の動きを報じ損ねたのか?

TBSテレビ執行役員(報道局担当) 金平茂紀 

 あれほどまでの数の市民が「非暴力直接行動」という形で街頭に繰り出したという事実が、有力新聞において全く無視されている事態に異様なものを感じるのは僕だけではあるまい。海外メディアの特派員たちは、日本の一部のメディアのあまりの過小報道ぶりに、現場で驚きを隠していなかった。

ニューヨーク・タイムズ マーティン・ファクラー東京支局長

 私が12年間、日本で取材活動をするなかで感じたことは、権力を監視する立場にあるはずの新聞記者たちが、むしろ権力側と似た感覚をもっているということだ。似たような価値観を共有していると言ってもいい。国民よりも官僚側に立ちながら、「この国をよい方向に導いている」という気持ちがどこかにあるのではないか。やや厳しい言い方をするならば、記者たちには「官尊民卑」の思想が心の奥深くに根を張っているように思えてならない

 なんか情けなくて。。。

 これじゃ、検事も弁護士も裁判官もみんなグルみたいな「原子力村」そっくりじゃないですか?

 いや、もっとひどい。だって(権力にあこがれる)国民までグルなんだもの。。。

 でも、昔もあったな。「巨人、大鵬、卵焼き」っていう、ほほえましい「ファーストクラス症候群」が。

参考
 ヒトラーの秘密