仕事の目的は二つある

 人は「何かを作り続ける生き物」です。ですから「仕事」とは私たちの本性でもあります。その「仕事」に価値がないとしたら何と空しいことでしょう。
 私はどんな「仕事」も空しくしたくないので、会社ではこんなことを皆に話しています。


(孫が通う保育所でお買い物ごっこ)

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二つの目的

 私が思うに、仕事には目的が二つあります。

 ひとつは「仕事そのものを処理する」こと

 ふたつめは「後に何かを残す」こと

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後に何かを残すとは

 「仕事そのものを処理する」とは「売る」「作る」「解決する」などのことです。

 仕事をこれだけと思っている人が大多数です。

 「後に何かを残す」とは、後で役立つように「定型化する」「しくみをつくる」「再発防止策を組む」などのことです。

 後に何かを残すとは、仕事が「資産」に変わるということでもあります。

 はじめから「後に何かを残す」という決意さえあれば、あらゆる仕事にそれは可能です。

 それがクレーム処理であれ、やり直しであれ、屈辱的なあれこれであっても。

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エキスはほんのわずかしか採れない

 後に残すものは、煮詰め続けて少しだけ採れるエキス(精)と似ています。

 少ししか採れないから、どんな仕事をしていても必ず採るようにしないと貯まりません。

 これらが一定量に達したとき、一人一人の個性を包含して一体化する社風というものが生じます。

 「後に何かを残す」という目的は、実は「ブランド創り」をしていくことと言えるでしょう。

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仕事に失敗はあるのだろうか

 今は思考もデジタル化しているので、仕事を成功と失敗に二元化しがちです。

 仕事それ自体の処理だけならそういうことになるでしょう。

 しかし、仮に処理がうまくできなかったとしても

 後に残すものがあるなら、それは失敗といえないのではないでしょうか。

 自分の能力と時間を使って仕事をする、その努力が無になることくらい空しいことはないはずです。

 そのようにしないために、常に二つの目的を意識して仕事をすべきだと思います。

 職位が上の人ほど大事なことであります。

 部下をだめにしないためにも。

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参考
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