週休四日の旅館

 週末の3日間しか営業しない旅館が島根県にあることを知りました。ただし旅館を営業していない4日間は、地域貢献=人々の期待に応えるための活動をしているのだそうです。そちらの売り上げはなんと年2億円!
 その旅館は「吉田屋」さん。

 経営者は、跡継ぎがいない老舗旅館を引き継ぎ女将となった24歳の女性。

 (以下、ブログ「感謝の心を育むには」より引用させていただきました)

 全くの素人であるにもかかわらず24歳で経営を引き継いで、常識に囚われない発想で経営を見事に立て直した、山根多恵さんです。
大学時代の恩師から吉田屋を紹介され、最初はびっくりしたし迷ったそうですが、新しい経営モデルに挑戦したいとの思いから、その日の夜には「やります」と答えていたそうです(笑)。

 山根さんは三つの新しいアイデアを考え実行しました。


 山根さんは、常識に囚われない発想から<旅館を週休4日制にしたり><規格外の野菜を買い取るシステムを作ったり><地域の問題を解決するために耕作放棄地や古い民家を管理したり>・・・と、必要と思ったこと、まわりから期待されたことを、次々と担っています。しかも、決して無理をしてやっているのではなく、どの活動も充分な利益を上げているというから驚きです。

 「規格外の野菜も売れるんだ」という可能性を示されたら、農家のおばあちゃん達だってネットも駆使して勉強を始めるんです。「人々の期待に応えたい」と動き出せば、たくさんのSOS=期待が集まってきます。

 3日を旅館業で目一杯稼ぎ、あとの4日を「地域の問題解決」のために費やす…この両輪を無理なく回すことが大事だと思っています。

 地域維新グループは、4つのNPO、3つの中間法人、3つの株式会社からなるグループで、簡単にいえば「就職」よりも「起業」を選んだ若者たちのグループです。旅館もそうですが、農業、林業、福祉などをテーマに、様々なプロジェクトを各地で展開しています。分かりやすくいうと、情報を集約させて「地域で面白いことを立ち上げ、騒ぎを起こす」わけです。

 それを続けていくうちに、地域の方々の「SOS」が山のように集まり始めました。田舎には行政が引き取りを拒む利用価値の低い耕作放棄地や古い建物がたくさんあります。持ち主は処分したくてもできずに困っている。そんな人たちが私たちの活動を知り、なんとか管理してもらえないかと、相談にこられるのです。田んぼ、みかん園、古民家…ついこの間も25町歩ものお茶園を管理することになりました。等高線で囲めるような広大なお茶園ですよ。

 このような地域を支えていく取り組みを、地域維新グループが10余り直接手がけており、派生した活動を加えると、20ヵ所くらいにはなっていると思います。全体で70名くらいがスタッフとして働いており、トータルで約2億円の売上を上げています。

 ここで大事なのは、どの活動も経済的に「儲かっている」ということです。利益が出ないと活動は継続できませんから。普通の人は、田舎の放棄地などを活用して利益が産み出せるなどとは思わないでしょう。でも、若者のアイデアと活力をそこに加味すれば、十分に儲かるんですよ。

 「う〜〜ん、マンダメ」やはり女性の時代か!

 女親分が「シルバー人材センター」の向こうを張って、「ニューヤング人材センター」をつくって運営しているような感じですね。

 この記事を書かれた方が最後に感想を述べておられます。私も実に同感!

 「景気が悪い」「仕事がない」とマスコミを中心に騒ぎ立てていますが、それは常識の枠の中でしか考えていないからなのだということに気付かされました。

 人々の期待は何なのか、その期待に応えるためには何をすれば良いのか。そのことを考え続けて、実戦していくことが社会貢献であると同時に、それこそが”仕事”なのですね。常識に囚われずに、可能性に目を向ければ、”これからの充足のカタチ”はたくさん見つかりそうです。

 →元記事はこちらです

 最近つくづく思います。 

 田舎は「宝の山」だ!

 磨かれてないから土塊にしか見えないだけなんだと。

 →吉田屋さんへの宿泊記