モバイル・マネーシステムがケニアで普及しているという記事を読みました。あれ?「おサイフケータイ?」所変われば品変わるって本当のようです。
携帯電話は今や携帯コンピューターに変わりました。
呼び名からも「電話」が消えて「ケータイ」「スマホ」「タブレット」という名前に置き換わりました。
そのケータイは、ネットの買い物など私たちの日常生活を便利にする様々な機能を追加し進化してきました。
「おサイフケータイ」というしくみもできましたが、あまり普及はしなかったようです。(私も未経験です)
日本ではいまだに財布(お金)やカードを持ち歩かないと、買い物とか銀行取引とかはまともにできません。
そんな中、電子文化がわが国と比べまだ未発達なアフリカで、もっとも先進的なケータイの使われ方がなされているという記事を読みました。
ソトコト1月号より
携帯電話の普及率がここ数年で一気に伸びたケニア。今、注目されているのは、大手携帯電話会社『Safaricom』により運用されているM−Pesa(Pesaはスワヒリ語で「金」の意味)と呼ばれる金融サービスだ。
M−Pesaは、携帯電話を使用した新しい金融決済および送金のサービスで、銀行口座の役割を果たす携帯電話番号を使って、金融決済や送金を行う。携帯電話さえ持っていれば決済および送金が簡単にでき、また送金を受けた側はSafaricom取次店でお金を受け取ることができる。
決済の種類は、日常的な買い物から、税金の支払など多岐にわたり、M−Pesaを使用すれば、サイフから現金を出さずともスーパーで買い物をしたり、ピザの宅配を頼んだりすることができる。
この便利なモバイルマネー、M−Pesaがケニアで開発されたのは2007年。それ以来、貧富の差や地域の違いに関係なく一般的に広がっていき、2013年の3月時点でユーザー数は1520万人となった。
モバイルマネーは、個人で銀行口座を持たない貧困層でも安全な形で家族や取引先に送金できることから、アフリカ全土で爆発的に浸透し、ビジネス界に大きなインパクトを与えた。この便利なサービスが今後どのようにビジネスに影響を与えるのか、注目する必要があるだろう。
銀行口座を開けなかった(開きにくかった)貧困層にとって画期的なサービスであったことが普及の利用のようです。
それともうひとつ、治安の悪さで現金の持ち歩きがきわめて危険という社会状況も利用を促進させたようです。
理由はどうあれ、この記事にあるケニアのケータイは「真の生活必需品」としての進化を続けていると思えるのです。
こんなケータイなら余計な機能はいらないし、これ一つで生活するのには十分という実用性を持っています。
そうそう、私たちが今おろそかにしている言葉は「実用性」というやつですね。たぶん。
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ひるがえって私たちの社会におけるケータイをみてみましょう。
皮肉的に言うと「ゴミ情報交換用おもちゃ」としての進化?を続けていると言えるのではないでしょうか。
だから年々道具がとてもやっかいな代物になっていくようです。
もう一度次の不等式がよみがえったものを作る社会になればいいな〜〜。
「実用性>娯楽性」
娯楽性を否定しているのではなく、優先順位をしっかり考えた道具を考えるということですけどね〜。
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この記事を読んでもうひとつ感じました。
今では揶揄の対象「ガラパゴスケータイ(ガラケ)」の様々なコンセプトは、今後別な時、別な場所で価値が蘇るのではないだろうかと。
ケニアにおけるおサイフケータイみたいに、わが国では普及が今一でも、「所変われば品変わる」のように再び光が当たるのではないかと思えました。
独自に育てたローカル技術をグローバルでないから価値がないと思わずに、変容、応用させて生まれ変わらせる発想がいいな〜と思いました。
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さて、ケータイとは似ても似つかぬ話のようで少し似ている話が「サバの水煮」缶詰です。
日本では食べる人も少なくなった「サバ缶」が、今やニューギニア原住民の主食になっているという報道を見たことがありました。
主食のヤムイモ、タロイモだけでタンパク質が不足していたところ、日本の安くて栄養価の高い「サバ缶」に救われたそうです。
われわれ粗大ゴミ年代も「所変われば品変わる」になれるといいな〜〜、なんて(笑)