週末は3.11津波の被災地宮城県岩沼市に建てられた「みんなの家」を見学してきました。世界的な建築家伊東豊雄氏の設計になる話題の施設です。
昨年夏に完成した岩沼「みんなの家」は次のような経緯で建設されました。
岩沼みんなの家 by infocomは、インフォコム株式会社がNPO法人がんばッと!!玉浦さんや地域の方々と共に、東日本大震災被災地である岩沼市の農業復興支援活動とその復興支援継続の為の事業を創出していく拠点の場です。
インフォコム株式会社が特別賛助会員となっている一般財団法人TAKE ACTION FOUNDATION。その代表理事である中田英寿さんの友人という縁で、建築家の伊東豊雄さんとの出会いがあり、伊東さんらの提唱する「みんなの家」を、インフォコム株式会社の農業復興支援先であった宮城県岩沼市に建設する運びとなりました。
行こう行こうとは思っていました。
週末に行ったわけは、「みんなの独創村」の事業として考えている「自然派シェアオフィス」について思い悩んでいたからです。
前日、仲間と打ち合わせしたんですが、土地は何とかなりそうな感じになりました。
ところがいざ具体化を考えようとすれば、施設の予算とか事業計画とか、はてはコンセプトについてまであれこれ迷いが生じてしまいました。(産みの苦しみ?)
ふと、岩沼「みんなの家」について思いだし、一人で行ってみました。
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やはり実際に見学するとずいぶんためになります。
復興工事が未だ続く地区、思ったよりもこじんまりとした地味な?建物が、ハウスメーカの住宅展示場に隣接して建っていました。
「ミニ道の駅」みたいな感じです。
実際、中では地元の野菜がざるに入れて売られていました。
地元産野菜の直売「みんなの直売」は土日限定の催しだそうです。
大きな日除けの屋根が張り出したテラスには、地元のおばちゃんたち(たぶん野菜農家?)が皆で座って談笑していました。
気持ちよさそうです。
元気と愛想のいいおばちゃんたちで、私も手作りの「豆もち」や「イチゴ」をごちそうになりました。
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中に入って「こりゃいい!」とまっさきに感じたのは、床が「土間」であることと、壁が「珪藻土」であることでした。
さらに、あこがれの「竈(かまど)」もありました。
後で管理者の方にお話を伺ったところ、実はこれらが(少し)悩みの種でもあるらしいのですが。
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悩みの種とはこんなことのようです。
土間なので、けっこう土ぼこりがたち、しょっちゅう机や品物をはらったり拭いたりしないといけないし、水をまくと地面がぐちゃぐちゃになってしまうらしいのです。
「にがり」をまき直しているようなのでもう少しの辛抱かもしれませんが。
「かまど」のほうは岐阜県?の有名な「かまど」らしいんですが、かまど内部の煙突経路の問題と、釜との「すきま」のせいでけっこう煙が充満するらしいのです。
使い方にとても気を遣うと話していました。
それと断熱材がない屋根や壁なので結構寒いこと、夏は風の通りが悪い方向があって暑いスポットができるということなども話していました。
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びっくりしたのは、土間の一部がコンクリート床になったいたことです。
コーヒーを有料で出そうと計画しましたが、土間では保健所の許可が下りず、後から一部コンクリート床に直したそうです。
同じくシンクや配膳の場所には、上からホコリが落ちないように天板を付けねばならないらしく、まもなく工事するそうです。
薪ストーブ(ペレットストーブ)も、当初の位置では邪魔になるため、今は外しているようです。
世界的な建築家の手による建物でも、使ってみるまでわからないことだらけなんだな〜と、びっくりした次第です。
せっかくのデザインも変更せざるを得なくなることは残念なことでもあります。
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それでもやはり心惹かれる建物です。
わざと田舎に古くからある様式にしているので、ほこっとします。
土間から続く12畳の座敷。そこには10名以上入れる大きなこたつがあります。
座敷の上には物置用のロフトがあり、ここは寝床にも使えそうです。
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最後に大事な質問をしました。
「建築費はいくらぐらいかかったんでしょうね?」
「窓枠や流し台など、いろんな寄付があってのことですが、実質1千万くらいらしいですよ」
建坪は推定20坪、トイレや外物置部分を入れても22坪くらい?
だいたい坪単価50万くらいというところですね。
これくらいなら、私たちの考えている施設構成で、ベースハウス&ワークショップハウスに使えるんじゃないか、そうすると予算的にいけるんじゃないか、と希望が出てきたわけです。
もちろん原価ということでしょうから、作業については「半セルフビルド」が必要になるでしょう。
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現場のお悩みとか実際受ける印象などは、ネットではやはりわかりません。
いろんな悩みを聞けたことこそ、実に有益なことでした。
来月仲間ともう一度訪問する予定です。