すぐそばの軽井沢

 地元を見つめ直してみると「とっておきの場所」はたくさんあるようです。ここ大崎市にも軽井沢のような別荘地がありました。
 私の会社がある宮城県大崎市古川から約10キロ、大崎市岩出山(いわでやま)には広大な丘陵地帯があります。

 そこにはいくつもの別荘地域があり、まるで(ちょっとした)軽井沢とでもいえそうな場所となっています。

 土地代もまだ安く、知る人ぞ知る隠れ家的な別荘地域です。

 10年ほど前に大合併があり、旧古川市も隣の旧岩出山町も同じ大崎市となりました。

 岩出山は、伊達政宗が仙台城に初入城するまでの12年間居城としていた由緒ある城下町です。

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 昨日の午後、岩出山出身の友人から教えられた「英国茶房 森栖(モリス)」というカフェへ行ってきました。

 長年の習性ゆえか、日曜なのについ会社に来てしまい、お昼になったのでくだんのお店へ行ってみようと思い立ったのです。

 車で約20分、「すぐそばの軽井沢」に着きました。

 この地区はとても広大で民家もまばら、雑木林と遠く針葉樹林の豊かな自然がまるで別世界のような景観です。

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 お店の名は「英国茶房 森栖(モリス)」


(名刺です)

 町からほんの少し入っただけの場所なのに、この辺はまだ雪がいっぱい。

 本格的な紅茶と英国風ケーキ、菓子を出してくれるアンティークなお店です。

 この店の情報を得て、遠いところから来た家族づれがいました。

 真空管アンプの音響はやわらかくて実にいいものです。

 真空管のちろりちろりと明滅する光さえ癒やしてくれるようです。

 私は、紅茶のカフェインが苦手で、飲むと貧血みたいな症状になります。

 それで、ホットチョコレートと手作りケーキをいただきました。

 ポケットに入れてきた堀田善衛『方丈記私記』を読みながら、しばし豊かな充電時間を得ることができました。

 後から来た女性お二人は二階のお部屋に通されました。

 今度来たときは私も二階にいってみよう。きっと眺めがいいことでしょう。

 静かな暖炉の炎がメロディーのようにゆれています。

 格子窓にうつる雪景色。まるで窓が絵画になったようです。

 あったかい室内からテラスへ出ると、雨が降っていました。

 もうすぐこの雪もとけ、木々の緑が萌え出すことでしょう。

 なんと身近に、すばらしい場所があることでしょう。

 帰るとき、私の18万キロアベンシスの隣にはりっぱなBMBが停まっていました。

 さっきお店に入ってきたばかりの気品ある(都会の)老夫婦の車でしょう。

 今や、(真の)ハイソとか贅沢とかを味わえるのは「田舎」なんですよね〜。

 自然との調和って実にいいものです。

 人工ばっかりっじゃ末梢神経が知らずにすり減っていきそうです。

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 この辺を一手に開発分譲している不動産屋さんは、佐賀県出身の方です。

 偶然この地を知ることになり、魅せられてこの地域だけの開発に特化した不動産業をはじめました。

 その事務所は、この「森栖(モリス)」の二百メートルくらい先の並びにある瀟洒な山小屋です。

 私も数年前にお会いしたことがあるんですが、不動産屋さんというより、森の番人みたいな方でしたね。

 心がこもった仕事をされている方は実に魅力的ですね。

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 以前お会いしたときに、奥まった場所にあるログハウスの住人とお話する機会があったのですが、その方は仙台からここへ移り建築設計事務所をしていました。

 高速道路のインターまで10分くらいで行けるので何の不自由もないと話していました。

 このような辺地で、都会でしかできないと思われているような仕事をされている方も実際いるわけです。

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 ここから車でさらに20分も行けば隣の加美町、そこには小北海道のような、実に広大な「やくらい山」高原リゾートもあります。

 あらためて身近な自然を眺めれば、なんて私たちはめぐまれていることだろう、とため息がでます。

 夢(いつまでも夢のまま?)の「自然派シェアオフィス」についても、久しぶりに想いを新たにした小雨の午後でした。

  →「自然派シェアオフィス」道中記