間伐材ライトに教えられました。

 間伐材の柱をほとんどそのまま利用した照明を知りました。大事なことを教えられた気がします。
 『ソトコト』三月号に載っていたこの写真に、すぐ目がとまりました。

 杉の間伐材に切り込みを入れ、そこにLEDを埋め込んだ照明システムです。

 これはユニークです!

 さまざまな取り付け方法で、さまざまな照明効果が得られそうです。

 何よりもおもしろいのは、この製品のちょっとした違和感が脳の未使用領域を刺激してくれることです。
 

 メーカHPでは上向きライトにしていました。


 木材の中心部にあらかじめ割れ目を入れて、乾燥による割れを防ぐ「背割り加工」を模したスリット部分に、LEDライトを埋め込んだ照明器具。

 天井からつるす、壁に打ち付けるなど、自由に扱うことができる。

 また、最小限のスチールに板を合わせたテーブルや棚などのアイテムも同時にリリース。
 
 森、製材所、町工場を結び、木材消費につなげる。「BEAM」

 3万5640円(予価、2月以降の発売予定)

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 この製品は事務機器店の老舗、東京銀座の『文祥堂』で開発されました。

 創業者が創業前に植林をしていた話を知り、国内各地を視察した開発者は、手入れが進まず、森の荒れた現状に驚いたそうです。

 これを機に、国産材を積極的に利用する取り組み「KINOWA」がスタートしたそうです。

 素材をそのままのカタチで使うというルールをつくり、この「BEAM」という製品が生まれました。

  →「KINOWA」ホームページはこちら

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 私はハッ!と気づかされました。

 これから具体化していく「自然派シェアオフィス」には、この発想が必要だと。

 「自然派シェアオフィス」というのは、自然や暮らし、様々な人たちとのゆるい関わりの中で、さまざまな独創が生まれる場所のことです。

  →りんごのレストラン物語

 私はこんなふうに直感したのです。

 母体となる施設に大切なことは、立派だったり住みごこちが良かったりということではない。

 「独創」の大切さ、楽しさ、清々しさというものをだれもが感じ取れる工夫をしなければいけない。

 そうしないとただの箱になってしまう。

 建物にも、レイアウトにも、しくみにも、備品にも、サービスにも、私たちが独創を与え続けなければいけない。

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 一人一人の顔が違うように、私たちはもとより「独創的存在」です。

 ところが現代は、「独創」という「たった一つの大切な価値」を見失いつつある世の中に感じます。

 だれもが無意識に、他と同じになろうという世の中になってしまいました。

 その結果、世は「似た顔」「似た仕事」「似た価値観」「似た・・・」と、「顔なし」ばかりが増えていくようです。

  →独創村の詩

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 「独創」といえば高尚な発明や芸術を連想しますが、私のいう「独創」は少し違います。

 「独創」とは自分のあたまで考えた「工夫、改善、改良、発明」すべてを含むものだと思うんです。

 そこに価値の優劣などありません。

 ひとつひとつ違うものに「競争」はないからです。

 ただし「独創」とよばれるものは、私たちに喜びをもたらすものでなければなりません。

 つまり人にとって「善きこと」「美しき」ことが大小によらず「独創」なのだと思うのです。

  →独創村って何?

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 私が、この「間伐材ライト」に教えられたことは、

 「仕事場」を、自らの独創や自らが感動した独創品で満たしていこうとする気持ちが大切だということです。

 あらゆる場所に工夫があるユニークな仕事場に入った人は、一目でそのコンセプトを実感するでしょう。

 その様々な工夫に触発されて、一人一人の「独創」が目を覚ますことでしょう。

 そんな刺激を私たち(仲間が)継続的に生み出しセットしていくことこそ、実は「自然派シェアオフィス」の生命なのだと私は知ったのです。

  →「みんなの独創村」憲章

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 抽象的な話になってしまいました。。。

 書きながら思うのは、

 独創(の精神)がなければ、「仕事」はきっと枯れてしまうだろうということです。

 「独創」(小さな工夫だってその仲間です)があって、初めて「仕事」は「人の仕事」として生き続けることができるのだと思うのです。

 そして「どんな仕事にも独創はあり得る」という確信です。

 私が一番好きな「独創」の話、「内職のおばちゃんブランド」を紹介して終わりにします。

   →内職のおばちゃんブランド