時間=時[とき]+間[ま]

 漢字の「時間」は「時」と「間」の二文字で成り立っています。これは種を蒔き収穫する「動く」という意味と、育ち稔ることを「待つ」という二つの意味が入っているのだと何かの本で読みましたが、なるほどと納得したものです。
 「時は金なり」というフランクリンの言葉は、欧米発「資本主義の精神」を端的に示す言葉とされていますが、「動く」「殖やす」ことが主意となっていることは否めません。

 資本主義の精神とは16世紀以来の禁欲的プロティスタンティズム(特にピューリタニズム)に由来するとされていますが、時代とともに宗教色ははげ落ち、単に果てしなき金儲けを目的とする超ハイパワー自動エンジンと化して今にいたります。(マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』)

 ところが農業や資本主義以前の産業はすべて自然を相手にしていたものですから、自然が与えてくれる時季や熟成を「待つ」ということが「動く」ということと相等しい価値とされていました。

 そして日本は工業国であるとはいえ、日本人の多くがいまだどこかに農業(自然)的感性を無意識に持ち続けているように思われます。

 ですから私たちにとっては「時間」を「金(効率)」と理解するより、「時(動く)」+「間(待つ)」であると理解するほうが心が落ち着きます。

 これからの「資本主義」には何らかのかたちで「自然」や「人間」を組み込んでいくことが必要と思えますし、そのために時間=時[とき]+間[ま]という考え方を大切にしていきたいな〜と思うのです。

 このシリーズは脚本:私ノボ村長、絵:同級生ゴリランジェロ氏のコンビで作成しております。





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