かまぼこ山とスパゲッティの木

 私の生まれた宮城県美里町小牛田の隣町に、加護坊山(かごぼうやま)という丘陵に近い小山があります。小さい頃はこの山を「かまぼこ山」とよんでいました。ある日、私の姉は私をからかって「かまぼこ山」には「かまぼこの木」が生えているんだというほら話を教えました。
 いったいかまぼこの木ってどんなだろう?かまぼこはいつ生るのかな〜と、けっこう長い間信じていたんです。だました姉には多少ムカッときますが、それでも小さい頃は夢があって実に楽しい時期だったな〜と、我がことながらつい微笑んでしまいます。

 さて、そんな話を思い出したのは、先日のブログで紹介した伊丹十三の「女たちよ!」のなかにある話を読んだからです。こちらは英国の大の大人が「かまぼこの木」より想像が難しい?「スパゲッティの木」をそのまま信じてしまったというお話です。

 文中の写真は実際に放映されたテレビ映像なるものを私が見つけてきました。

 この本は1968年出版です。伊丹十三さんがもし生きていたら間違いなく超有名ブロガーとなっていたことでしょう。この本を読んでいると実に楽しい!その反面、伊丹さんの柔らかい知性に嫉妬してしまいそうにもなります。彼こそヨーロッパという本場仕込みの「エスプリ」と「ユーモア」を体現した日本人といえるでしょう。