「それってほんとに必要なんでしょうか?」と真剣に問うてみれば、もしかして、この世のほとんどのものは不要になるかもしれません。だって電気がない時代も相対性理論がない時代も、暮らすには別に支障なかったわけですから。
良くないことだけど、なくては困る、なくせない、という「必要悪」。
戦争、軍隊、核兵器、原発、談合、やくざ、タバコ。。。みんな「必要悪」?
「必要悪」だからなくせない、って思い込みが強すぎませんかね。私たち。
「必要悪」って言った時点で「思考停止」ですよね。
もしかして「思考停止」も「必要悪」なのかな?
ノボ辞典より
Necessary Evil【必要悪】名
実は不要なのだが、多くの人が必要と信じこんでいるために止められない「害悪」のこと。
いや、「信じ込まされている」が妥当な表現であると考える人も多い。
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「必要悪」の典型は「核兵器」である。
その証拠に、広島に原爆を投下したB29「エノラ・ゲイ」と撮影のため一緒に飛んだB29には「Necessary Evil(必要悪)」という名が付けられていた。
原爆などなくても戦争は終わったはずだった。
生命にとっても、地球にとっても必要などないものであったし、今でも実に不要な「脅迫兵器」である。
(注:もはや原爆は必要悪を超え、破壊神として奉られる「宗教」になりつつある)
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もうひとつの「必要悪」の例は「政治家」である。
ただしこの場合、見方が二つに分かれることが大きな特徴である。
政治家は自らを「必要善」とみなし、
有権者は彼らを「必要悪」とみなしている。
全世界共通の認識であるが、特に日本ではこの二極化が進んできている。
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「必要悪」は「へ理屈」の中にも存在する。たとえば、『相手が原爆を持つなら、こちらも原爆を持つべきだ』
『互いに原爆を持つことこそ、互いに原爆を使わないことにつながるのだ』
こういう「へ理屈」もまた「必要悪」の一種とみなされている。
しかし、こういう考えに同調する人の中にも、少数ながら次の疑問を持つ人たちがいる。
『これでは、世界の国はすべて原爆を持つ必要があるのでは?』
あるいは、『あちらが二つにしたら、こちらもも二つ。これって際限ないんじゃない?』と。
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そんな中、現代社会において「必要悪」に疑問を抱く人がしだいに増えてきた。
そして「必要悪」を極力排除しようという動きが出てきた。
ひとつだけ残念なことは、その運動が「家庭内」で起きたということである。
従来多くの家庭では、父親は生計を立てるための「必要悪」とみなされてきた。
しかし十数年前から、定年後の父親に対する見方に変化が生じてきたのである。
「必要悪」が「不要」という言葉に取って代わったのだ。
さすがに言葉がきついので、「粗大ごみ」などと言い換えられている。
ありゃりゃ〜〜!
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