ヘビ年に思う

 東北放送ラジオで、ペットショップの店長さんが興味深い話をしてくれました。ヘビと人間の比較です。
 今年はヘビ年。かくいう私も年男、ヘビ男、おまけに女房までヘビ女です(同い年ということです)

 先週のある朝カーラジオから、ためになるお話が聞こえてきました。。
 
 私はいつもその方のお話に感心しているんですが、仙台市宮町でペットショップを経営する店長さんの『ペットにまつわるエトセトラ』です。

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 「ヘビは嫌われ者です。ほとんどの人間に共通する感情です。ですから赤ちゃんにヘビを見せるとほとんどの子が恐怖心を表します」

 「それは人類が生存のために進化で受け継いできた遺伝子なのです。毒蛇を嫌う人間がより生存できたということでしょうね。私たちのほとんどが高い崖っぷちに立つと恐怖にかられるのと同じように、本能となった感情です」

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 なるほど。。。ヘビ嫌いには数万年の歴史があったのか、と変に納得してしまいました。

 ところが店長さんの興味深いお話は、この後こう続くのでした。

 「ヘビと人間のどちらが地球にとって望ましい生存形態だと思いますか?」

 えっ! そんなこと誰も考えたことはないでしょう。

 店長さんの話は続きます。

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 「ヘビは爬虫類、変温動物です。自分で体温を調節できないから冬は冬眠します。そして春になると日向に出て体を太陽で温めます」

 「ですからヘビというのはとってもエコで、太陽電池パネルを体の表面に張り巡らして生きているようなものです」

 「それと反対に、人間などの恒温動物は、自分の体温を一定に保つために、(環境に負荷をかけて)常に無理して外からエネルギーをとりこんでいるのです」
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 私は、とてもハッとしました!

 「持続可能な地球」という観点からいえば、ヘビのほうが私たちより進化した生き物のように思えてきました。

 人類がなんでも一番なんだという先入観をくつがえされた気がします。

 そうして考えると、植物、特に「木」なんかも進化した形態じゃないかと思えます。

 なにせ、光と水と二酸化炭素だけで「生きて千年、枯れて千年、倒れて千年」という超長寿命の「植物生命体」ですからね。

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 ところで、社会も「生命体」みたいに考えるとおもしろい見方ができそうです。

 どんなのが「より地球にとって望ましい形態」かについて。

 そういえば?参考になる社会があるな、と思いつきました。

 それは、わが日本の「江戸時代」という「ライフスタイル」です。 

 現代よりずっと遅れていたと思われている「江戸時代」。

 しかし、実は太陽エネルギーだけですべてをまかなっていた「究極の進化社会」であったと語る方がいました。

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 作家石川英輔さんの江戸時代シリーズ『大江戸生活事情』を読むと、まるでヘビと人間の比較のような、今までとは正反対の観点が生じます。


植物国家

 江戸時代の日本は、農業国家だった。時代が進むにつれて商業が盛んになったが、商業で扱う商品も大部分というより、ほとんど全部が農業生産物だった。漁業や製鉄でさえ農林業の上に成り立っていたようなものだから、緑の上に浮かんだ植物国家といっても大筋では間違っていないだろう。

 実際、くわしく調べて見ると、当時の日本ほど人間と植物が上手に共存していた社会は珍しい。目先のことしか考えない現代科学技術とは違って、ほとんどあらゆる物を植物から作り、日本列島が受ける太陽エネルギーだけですべてが再生産できるような形でしか利用していないから、かなり高い文化水準を維持していたわりには、環境に対してほとんど悪い影響を残していないのだ。

 たとえば、紙の生産を考えてみよう。今では、年月を経た木を切って紙を作る。先のことは先のことで、どうせ子孫が何とかするだろうと割切って、今の目先の金儲け以外はまったく頭にないから、紙の使用量が増えれば地球上の森林は減る。

 ところが、江戸時代の先祖たちは、毎年生えて来るいわゆる一年生のコウゾの枝を使って紙を作った。今年受けた太陽エネルギー分しか使わないから、木が減る心配はないのである。それでは充分に紙が使えなかったかというと、当時の日本は世界有数の製紙大国だった。幕末期に日本へ来た外国人が、日本人は紙をまるでハンカチのように使って捨てると、感心して書き残しているほどだ。しかも、その紙質の丈夫なことは驚異的である。

 ・・・こういう生産システムは、紙だけではない。衣食住、すべてが国内で取れる資源を食いつぶさず自給自足して利用するだけで、何とか独立した文明を維持していたのである。

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 ヘビ男の私は、あれこれしつこく考えてしまいました。。。 

 私たちはあまりにも求めすぎではないでしょうか?

 こんなに食べ物があふれ、人間が寝る面積の何倍、何十倍もの広さの住居に住み、戦車のような車に一人乗り、休日はといえば週に二日もあるこんな天国みたいな生活に不満や不安を持って生きているんです。多くの人が。

 それらを持っていない人や失った人のことなど想像することもなく。

 それらがなかった時代のことを想像することもなく。

 そして、電気が足りなくなるといわれればすぐ怖れ、株価が1円上がった下がったで世の中が一喜一憂。

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 ヘビ年の今年はヘビに見習わなくてはならないな〜〜と、気味悪いながらもヘビのことをもっとヘビーに知ろうかと思っています。

 生物部でヘビ採りに行った高校時代を思い出してかな〜〜。

  →スネーク・ハンター