海を渡って「白鹿」と会う

 石巻市内と牡鹿半島の様々な場所で「Reborn-Art Festival 2017」という、とてもユニークかつハイセンスな芸術祭が開催されています。その中の一つ、海岸の砂浜に展示されている巨大なオブジェ「WhiteDeer(白鹿)」をどうしても見たいと思い、快晴の今日行ってきました。
 野趣とアートがマッチしたとてもダイナミックな芸術祭です。 

 国内外のアーティストによる多数の芸術作品(オブジェ)が離れた地域の各所に独自に展示されています。

 基本的にはそれらの作品を見て廻るツアーなのですが、私たち(夫婦)の狙いはただひとつ「WhiteDeer(白鹿)」だけです。

 一月くらい前に見た写真(ニュースの映像だったかも)に圧倒されたからです。

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 牡鹿半島の荻浜(おぎのはま)にあるその会場にはとても多くの方々が来ていました。(都会から来た若い方々がとても多い!)

 駐車場は満杯でしたが、近くの空き地に車を駐め、10分ほど歩いて会場入り口へ着きました。

 すぐ見ることが出来るのかと思いきや、ここからさらに20分くらい海岸を歩いて行かなくてはならないのでした。

 ノルディックポールをつきながら日射しの強い中を歩きました。

 会場まで後10分くらいのところで係員に教えられました。

 「パスポートがないと見ることができません。ここでは求められません」

 うわ!せっかくここまで歩いてきたのに。。。

 あきらめて帰ることにしました。(運動できただけでも良かったと、自分を慰めながら)

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 ところが捨てる神あれば拾う神あり。(渡りに船かな?)

 「漁船で海をめぐりながらアートを鑑賞しませんか?」という呼び込みやさん(漁業インターンシップの若い学生さん)と出会いました。

 聞けば、なんと海から鑑賞する場合はパスポートは不要らしい。

 (係員もボートに乗ってまで改札しようとは思いませんものね〜〜)

 すでに満員予約のところ、無理を言ってわれわれ夫婦2名乗せてもらえることになりました。

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 ようやく漁船の船長さんがやってきていざ乗船!

 ところが船長さんはフォークリフトで大きなカゴを運んできました。

 私たちは魚を陸揚げするこのコンテナ(カゴ)に積まれて船へと運ばれたのでした(笑)

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 救命胴衣を着て出発です。

 途中、様々な段階の牡蠣の養殖場所に案内され、船長が丁寧に説明してくれました。

 そして種付け後二年目の牡蠣を海から引き上げ、船長自ら蛎殻をこじあけ、船上で皆にふるまってくれました。

 観光ガイドは漁業インターンシップの大阪の学生さんが務めてくれました。(宮城県人の私より詳しいよ。。。)

 私たちのせいで定員オーバーしたため、綿入れのような古い救命胴衣を着ています。

 ガイドさんに「白鹿」が3Dプリンターで制作されたということを聞き、「こんな大きなモノを!」とびっくりしました。

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 やがて、彼方の浜に白鹿の姿が見えてきました。

 近づくと、この白鹿は牡鹿半島の守り神のような神々しさです。

 芸術祭が終わっても、このまま居てくれたらいいのにな〜〜と心底思いました。

 船が離れるときは、浜の方々が手を振る、こちらも手を振る、何やら感動的?な場面となりました。

 思わぬ方向からでしたが、まずは白鹿と出会え、おいしい生牡蠣を堪能し、Happyな小旅行となった今日でした。