ほほえみがえし

 昔、「営業スマイル」のしすぎで目尻にしわがふえてしまいました。この食堂は「まごころスマイル」なんです。あたたかいんです。

 (杉浦日向子『江戸アルキ帖』より)

『詩集ノボノボ』より

ほほえみがえし

 「ほほえみ食堂」と 私が勝手に呼んでる店がある

 店の主人も姉さんたちも いつも変わらぬ微笑みで

 おいしい蕎麦をつくってくれる

 蕎麦も美味いが その微笑みが絶品で

 何度か食べに行っている


 大風のふく先日の午後遅く

 名物セり蕎麦を食べたくなって 行きました

 手ぬぐいを被った無精ヒゲのマスターが

 丁寧に たった一人を迎えてくれました

 顔に似合わぬ 柔らかいほほえみで


 いつも調理場にいるほうのお姉さん

 忙しい昼飯時が去り 一見疲れが見える目の辺り

 ところが そんな疲れがあるくせに

 やさしく微笑んでくれました


 つらいときだってあるだろうにな〜

 やさしい芯のはいった そのおもてなし

 とっても心が あたたかくなりました


 ほほえみは きっと南風

 帰りぎわ 思わず出ましたこの言葉

 「とっても美味しくいただきました」

 私なりの 精一杯の微笑みで


 いつも仏頂面で パソコンばっかり見てるので

 きっと ひきつっていたかもしれないな〜

 でも 私なりの 「ほほえみがえし」

 
 そうしたら 嬉しい発見がありました

 ほほえみがえしをしたあとに

 やまびこのように かえってきましたよ

 感謝のほほえみが

 これがまた ウルルっとくる絶品で


 それから一週間後のある昼間

 ある人と二人で また行きましたこの店に

 そうしたら 再々発見

 ほほえみの バージョンが違うんです


 ほほえみは 口ほどにものを言い

 私には 伝わってきたんです

 (この前は ありがとうございました)

 感謝の気持ちが

 ほほえみに乗せて 届けられたのを


 もうすぐ春だな〜〜

 →ほほえみ食堂

 ※「詩集ノボノボ」「思い出アルバム」はそれぞれ独立した別なブログにしました。どうぞご愛読ください。
 →ノボ村長の「詩集ノボノボ」
 →ノボ村長の「思い出アルバム」