いろんな仕事

 ブログ記事は自分の子どもみたいなものです。産んだ本人が、以前書いた記事からいろいろ教えてもらうことがあります。

(孫の陽介を描く中川一政 1971年・78歳)

『詩集ノボノボ』より

いろんな仕事

 昨日の午後は 風邪ひき孫の子守を頼まれた

 午前中のセカセカ仕事で疲れたせいか

 孫を寝かせる前に

 自分が早々と寝てしまった

 孫が 後で母親に話したらしい

 「じいちゃん、今日もユウキより早く寝てしまったよ」

 孫には もう、いつものことだと思われている

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 未来の仕事人である ちっちゃな子らに

 大人は誰でも よく問いかける

 「おっきくなったら何になりたい?」

 女の子なら

 「花屋さん!」「パン屋さん!」「お嫁さん!」

 男の子なら

 「サッカー選手!」「新幹線の運転士!」「消防士!」

 問う大人も 問われる子どもも

 笑みを浮かべての 楽しきやりとりだ

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 大人は子どもに こう教え諭す

 「どんな仕事にだって夢があるぞ」

 「自分の気持ちの持ち方次第、工夫しだいさ」

 夢に向かって努力する人の顔を見て

 子どもは仕事にあこがれ

 勉強したり 運動したり 努力する

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 それが「仕事」というものだ

 と、私は思っていた

 ところが 今朝方偶然

 自分の過去ブログを読んでしまった

 自分で書いたくせに 

 まるで初めて見たように ショックを受けた

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 その記事には こんな内容が書かれていた

 (いや、書いていた)

 一年前、床屋の息子さんから聞いた話だった

 彼の同級生は 福島第一原発で働いている

 二人は 時々連絡を取り合っているのだが

 現場ならではの 過酷な状況を

 あれこれ私に話してくれた

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 私は息子さんにたずねた

 「そんな職場にいると彼の家族も心配だね」

 「いいえ、彼はまだ独身なんです」

 床屋の息子さんは話を続ける

 「でも彼は、以前から語っていました。。。」

 「『結婚しても子供は作らないと決めている』と」

 「あの職場では、もともとそんな覚悟の人が多いそうです」

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 私はこの後何も言えなかった。

 そんな悲しい仕事がこの世にあるのかと。。。

 →ノボ村長の「思い出アルバム」

 →ノボ村長の「詩集ノボノボ」