「ブックオフ」を訳せば「古本屋」? それではとても違和感が。。。日本古来?の「古本屋」は、英訳してもやっぱり「furuhonya」ですね。
アマゾンによる効用なのか損失なのか?ここ数年、私はめっきり本屋さんに行くことが少なくなってしまいました。
そんな折、一週間ほど前に仙台で健康診断を受けました。
検診後、友人の会社に徒歩で向かう途中、仙台にまだ数軒残る、いわゆる「古本屋」がありました。
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ふと眺めたら、日が当たる店先に置いてあった装幀の立派な本に目がとまりました。
大判のつくり、厚い表紙、金色の背表紙。
「お〜〜、なんと立派そうな!」
なんの本かといえば「少年少女世界文学全集」(小学館)
そこには、私が少年時代何度も読み返した「ロビンソン・クルーソー」があるではないですか。
懐かしくて、さっそく立ち読みで開いてみれば、これがとてもいい!
なぜかといえば、物語の要所要所にカラーの絵がたくさん入っているんです。
なるほど、こんな人、こんな風景、こんな状況だったんだ。。。
小さい頃は読みながら想像して場面を思い描いていたものですが、やはり想像力にも限界があります。
ですから、想像を手助けしてくれる絵がついていると、想像力はさらに活発化します。
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値段を見たらたった百円!
え〜〜!こんな素晴らしい装丁の本が缶ジュース並み?
なんか、うれしさと哀しさが一緒にこみ上げてきました。
さっそく購入、さらに同じようなりっぱな製本の「図説探検の世界史」(集英社)も同じく百円で購入。
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さて精算、と奥に入っていけば、古本屋さんの定番、お年寄りのオーナー(ここではおばさん)が下を向いて本を読んでいます。
(私が想像するに、古本屋のオーナさんたちの髪はきっとレーダーになっているんですね。だから客の気配は常に脳裏に映っているんですよ、たぶん)
店先から奥の帳場まで数メートルの短い道中、またもある本の背表紙が目に飛び込んできました。
それはお堅い本ですけど、中村元著「ゴータマ・ブッダ(釈尊の生涯)」(春秋社)
岩波文庫で「スッタニバータ」を中村元訳で読んでいたのですが、この本は原典をもとにして、著者がわかりやすく丁寧に仏陀の生涯をたどってくれます。
三冊目のこの本はとりわけズシリと重い本ですが、友人のところまであとわずか。
思い切って買うことにしました。
帳場で値段を知りました!なんとこちらは四千八百円也!
百円本に誘われ、店先から出るときにはちょうど五千円也!でした。
友人宅で一緒に食べようと買ってきたパンやら、三冊推定3キロぐらいの本やらで、真夏の甲子園球児並みの大汗でした。
帰りは車で駅まで送ってもらうことにしましたよ。。。
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家に帰って、まずは「百円本」を読むというより眺めはじめました。
これがいいんですよね。
図鑑とか絵本とか、眺めるのがとても癒やしになるんですよね〜〜〜。
そう考えると、文学も絵画もとても近しいものなんだな〜〜って思えてきます。
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それとブログを書いてて気づいたんですが、結局私は子どもの頃から現在に至るまで、本といえばとりわけ「冒険記」が大好きなんですね。
「ゴータマ・ブッダ(釈尊の生涯)」は冒険記じゃないでしょう?
いいえ、私は、釈尊は歴史上最大級の冒険家だと思っているんです。
愛する女房や子どもの懇願もはねのけ、何一つ不自由のない王子の身分も捨て、たった一人真理を求めて未知への旅にのぞんだ彼の生涯は、人類史上最大級の冒険物語ではないでしょうか。
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古本屋さんに行けば、とってもいい本が見つかるとはわかっていても、大都市仙台は日々遠く感じてしまう還暦のこの頃。
今度古本屋さんに行くのは、たぶん一年後の健康診断のときでしょうね。