シルバーズ紅葉の「蔵王」へ

 台風一過、とんでもない快晴になった昨日、いつもの80歳以上90間近のザ・シルバーズを乗せて「お釜」で有名な蔵王へ行って来ました。
 御嶽山の噴火はとても痛ましいことでした。。。

 宮城と山形の県境にある最大標高1841メートルの蔵王連峰も活火山です。

 大きな噴火による災害の後でしたのでいくらか気が引けました。

 ですが、かねてより予定していた行事でしたし、天候も上々でしたので出発しました。

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 12月で90歳になる父、80代の元同僚女先生お二人、そして61歳というヤングの私、いつものザ・シルバーズです。

 車中できえ子先生が言います。

 「國雄先生は晴れ男ですね〜。いつも晴れますよね」

 そういえばこのシルバーズの旅行では一度も雨は降りませんでした。

 こんな小さな褒め言葉でも父には嬉しかったようです。

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 さて、高速道路の菅生(すごう)パーキングエリアで休憩。

 さっそく女先生の手作り料理が振る舞われます。

 今日は「イチジクの甘露煮」と「こなす漬け」

 どちらもご自分の畑で採れたもので、味付けにも独特の工夫があります。
 
 たとえばイチジクの甘露煮では、できあがる少し前に醤油を足すらしいんです。

 少し焦げめがついたものもありますが、かえって黒糖のような味となって美味しいものでした。

 みんなでバクバク食べました。

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 川崎インターから青根温泉、そして蔵王エコーラインへと進みます。

 途中「滝見台」という名所があり、遠くに見える大滝二つを鑑賞します。

 エコーラインは中腹まで木々はまだ緑一色です。

 ところ山頂付近では、うってかわってもう紅葉の盛りでした。

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 さて、お釜に到着。

 下界は気温20度ですが、ここは気温9度。風も冷たい。

 とも子先生は手袋までしてまるで冬支度です。

 どんどん一人で進む父に、「その辺でやめっぺし」と声を掛ける私たち。

 父は昔このお釜の水で顔を洗ったらしい。

 その後ろ姿を見ながら「まだまだ青年のおもかげあるっちゃね〜」と女先生が言います。

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 紅葉は栗駒山や船形山のほうがきれいに感じますが、蔵王はそれらの山よりも一回りスケールが大きく男性的な魅力があります。

 さてお釜付近にある避難小屋兼休憩所で昼食です。

 甘酒と焼きおにぎりです。

 冷たい風でかじかんだ手と身体に、売店で買った熱〜い甘酒は何よりでした。

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 帰りは「賽の河原」で活火山蔵王の荒涼とした断崖絶壁を見学。

 この展望台の足もとは数百メートルの断崖です。

 お尻のあたりがザワザワとしてきて数分も立っていられませんでした。

 噴火した際に飛ばされた溶岩があちこちに散らばり、御嶽山の噴火ではこんな大きい石が降ってきたのかと思うと、息が詰まりそうでした。

 小さな子供も犠牲になり何ともつらい思いです。

 なんとか噴火を予測して入山ストップできなかったものか、と皆で語り合いました。。。

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 蔵王は下りの眺望がすばらしいです。宮城県側は太平洋まで見えます。

 ギアをセカンドに入れエンジンブレーキを掛けっぱなしで長い下り坂を走ります。

 帰りは遠刈田温泉の方へ行き、蔵王チーズ工場、売店によりました。

 ここの「蔵王クリームチーズ」は絶品です。

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 再び青根に戻り川崎インターから帰りの道へ。

 鶴巣サービスエリアで休憩。

 蔵王チーズの売店でもあんなに食べてきたのに女先生たちの食欲は衰えません。

 今度は分厚い笹かまぼこを渡されましたが、おいしそうにほおばる女先生とは反対に父と私はお土産にさせていただきました。

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 道中、女先生方との尽きぬ話を今回も愉しませていただきましたが、印象に残る話がありました。

 きえ子先生が特殊学級を受け持っていたときの話でしたが、

 「とても学ばせてもらったんですよ。普通、先生は生徒を従えさせる立場なんだけど、この子たちの場合は先生が生徒に従う立場になるんですから」

 そして数十年以上も前の、とても手のかかった生徒たちのことを愛情込めて話すのでした。

 女先生同士、同じ子供のことをよ〜く覚えていてその子の家庭のことや大人になってからのあれこれを思い出深く話すのでした。

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 最高の天気に恵まれた蔵王旅行、日頃することもなく鬱屈気味かつ少々ボケ気味の父もとてもリラックスして喜んでくれたようです。

 帰りの車内で、来月は平泉方面に行こうと父が提案しました。

 それは、どうやらわが家のルーツが平泉にあるとのことなので、久しぶりに行ってみたいのでしょう。

 さっそく女先生が快諾します。

 「その頃『餅祭り』があるはずだから食べてきましょう」と。