ひさしぶりに吉田類

 中年おんつぁんの隠れや的名物番組があります。
それは月曜夜九時から始まるBS-TBS「吉田類の酒場放浪記」です。
どうも中年おばちゃんたちも楽しみにしているといううわさもあるようですが・・・

 かくいう私も震災前はずっと見ていました。私の代わりに裏通りの味のありすぎる?居酒屋をはしごしてくれているようで、呑まなくても呑んだ気になってしまうというとても重宝な番組です。

 ところが震災後は全然見る気にならず、ゆうべ久しぶりに見ました。なんと4ヶ月ぶりです。 久しぶりではありますが、吉田類さんはこのくそ暑い夏だというのに頭から足の先まで年中変わらぬ黒づくめの例のいでたちと、あの懐かしき愛想笑いで画面に登場していました。あ〜普通の時間が戻ってきたな、という感じがしました。

 そして夕べの舞台、新宿の老舗名物スタンド居酒屋の壁にはとても嬉しい銘酒の貼り紙が・・・「日高見」「澤の泉」。これらはわが宮城県北のお酒です。しかも「日高見」は津波で大きな被害を受けた石巻の酒造元です。

 さて、私が20代から40代中頃まで酒は灘とか伏見とか新潟とか秋田とかが有名で、銘酒といえばそれらの地域のものが多かったように思います。ところがいつのまにか、わが宮城県は高級酒(吟醸酒など精米度合いが高い酒)の生産割合が全国一になっていました。グラミー賞の乾杯で使われた「伯楽星」だとか、幻の銘酒「綿屋」だとか、おいしい銘柄を上げると十指では全然たりません。

 おもしろいのは、私より上の世代はこれらの酒をあまり知らない人が多いということです。たぶん地元ではなく都市部とか外国に行ってるのが多いんでしょうね。酒の量販店や居酒屋でもあまり置いてないので知らないようなんです。

 知らないうちにいつのまにか増えてしまっていたというのは、このようなお酒なら最高の話でしょうが、原発もいつの間にか増えていて、こちらは実に残念なことであります。