情報とはまるで「風」のよう

 情報とはまるで「風」のようです。今顔にあたった風しか爽やかに感じられない。さっき吹いた風はもう過ぎたもの、価値のないものになっていきます。facebookだtwitterだブログだと、ネット上の新しいツールで風はみんなの顔にビュンビュン吹きよせます。そしてただ過ぎ去っていきます。
 いったい吹いた「風」はどこへ行くのか。次々と吹きよせるのでだれも気にしません。ネットは賞味期限がたった1日の世界。どんなよい情報も吟味されたり深く何度も読み返されたりすることなく墓場へと消えていきます。

 これはこれでしょうがない、風のような情報だけだからいいんだよとも思います。だけどネットだけでわかった気になることや、本を読むのがおろそかになるならとても心配です。

 私は少し逆らいたい。縦型時系列のネット世界を少しだけでも横型にしてみたい。時系列をぐぐっと水平にしてみたい。そんな反抗を少しづつでもしていきたいんです。

 その小さな取り組みのひとつ、古い記事から「ちょっといい話」を発掘してみました。

2009.6.2 朝日新聞

「バービー人形」
 
 バービー人形は60年代日本が下請けでつくっていた。米本社が工数を減らすため、裏の「ほつれ止め」をなくそうとしたら、内職のおばさん達が「工賃はいらないからなくさないでくれ」と猛烈に反対したという。

2010年頃 某テレビ番組

「マオリ族とモア」

 昔マオリ族はポリネシアからニュージーランドに移住した。そこには「モア」というダチョウのような大きな鳥がいて、マオリ族はそれをすべて食べ尽くし絶滅させた。その結果彼らも飢饉に襲われることになった。

 それ以後、マオリ族は「今」だけでなく「未来」をも考えるようになり、森とそこに住む生き物を保護するようになった。主食をタロイモやヤムイモに切り替えて。

2008.5.3 朝日com

「佐野洋子さんとガン」

 「私、ガンがストレスになっていないのね。昔から死ぬのがぜんぜん怖くない。目の前で家族がごろごろ死んでいったのを見てたから。望んでも望まなくてもそうなっていくってわかってたから。自分の死はわかんないじゃん。たぶん命って自分のものじゃなくて、周りの人のためのものだと思う。」

 これらは私の手帳に書き留めておいたもの。時々自分の字が読めなくて困るんですが・・・。ネット社会だからこそ「書くこと」「読書すること」「五感を使うこと」の重要性は増していると思うんです。

 マトリックスのような世界はいやだ!

 おまけにこんな記事も読んでください。
「内職のおばちゃんブランド」