新しい自営スタイル

 『いま、地方で 生きるということ』という本を読んでいます。そこには「新しい働き方」「新しい生き方」に取り組んでいる方々の生き生きとした姿が・・・。
 先日のブログ 新しい「肩書き」で紹介した『働き方研究家』西村佳哲さんの著書です。

 本の帯にはこう書かれています。

 震災を経て、あらためて自問したーー。

 「どこで働く?」

 「どこで生きる?」

 わからなさを携え、東北、九州を巡った旅の記録。

 
 著者は、「みんなの独創村」で紹介している、わが宮城県登米町のカフェ「GATI」も訪れ、この本で詳しく紹介しています。

 今日はこの本の中から、「新しい自営スタイル」のヒントになるお話を紹介したいと思います。

 それは秋田市にある「ココラボラトリー」

 「自分の場所」ではなく、「自分たちの場所」というシェアハウス的考えの「働く場所」です。

 秋田市内を流れる川端に面して建っている。元印刷工場のビルの一階に、ココラボラトリーという名前のアートスペースがある。

 「”ココ”には『個人個人』と『この場所』『地域』。あと英語の『Co(共働で、共に)』。この三つの意味を含ませています。あとは実験室のラボラトリー。”みんながそれぞれに持てるものを出し合って、ここで暮らすことを充実させていく実験の場”みたいな意味を込めて名前を付けました」と、笹尾千草さんはきかせてくれた。

 「発表する場であるとか、集まってディスカッションできる場所。”自分たちの場所”と思えるところがないことに、みんなすごくフラストレーションを持っていた。情報が集まっている場所がないので、何が起こっているのかも、どんな人がいるのかもわからない。以前はそれぞれ点々としていてつながってなかったんです」

 若い女性が手がける小さな本屋さんや、オーダーメイドのウエディングドレス工房、矢吹さんの話にも登場した石田伽排店の喫茶室も追って同じビルに合流し、ココラボのまわりはとても暖まっているように見える。貸ギャラリーの予約も埋まっていて運営状況はおそらく良好。まちつくりに興味のある人や、自分の地域になんらかの交流拠点をつくってみたい人たちには、眩しい星の一つとして見えているんじゃないか。

 でも一方、笹尾さん自身にとってココラボの活動は一つの節目を迎えつつあることを、前回冬に訪れた時に少しうかがっていた。今回はそのことを、震災を経てより進んだ状態で、きかせてもらうことになるのかもしれない。

 彼女はディスプレイの仕事の納品が今朝ちょうど終わったようで、見るからにヘトヘトになっている。この何日かあまり睡眠時間も取れずにいたようだ。が、午前中矢吹さんのお話をうかがった土間のテーブルに、お茶を持って腰を下ろしてくれた。

 勤めるにも求人が少ない。求人があっても難しすぎるしごとか簡単すぎるしごとかの両極端。勤められない人はますます増えています。

 勤め先をさがそうと、みんな都会をめざします。企業も同じように市場を求めて都会へ都会へと進みます。

 このアンバランス。自然豊かな地方こそ本来なら仕事の好適地であるはずなのに・・・

 地方だからこそ輝く「新しい自営」がもっともっと生まれなければ、世の中に多様性という枝がなくなり、やがて木そのものも朽ちていくでしょう。

 自営をする上での一番のネックは「家賃」だと思います。月10万とか家賃を払える自営は数少ないでしょう。

 その「家賃」を新しい発想のシェアハウスで、あるいはそれに近いアイデアで解決できれば、もっともっと若い人たちが自営に夢を抱けるのではないでしょうか?

 こんなアイデアもありますね。夜のオフィスはどこも空いてますよね。あるいは昼間だけの店も多くあります。それを昼夜でシェアするとか。

 このへんでも(といってもけっこう田舎にありますが)、金土日だけ営業のピザハウス「ベンチタイム」という店があります。(本職が別にあるようで)

 その店はマスター手作りの建物です。すばらしい木の香ただよう味のある店舗でおいしいピザを出してくれます。そこを月火水木シェアして何かできないかな?なんて人の家なのにわがことのように考えてしまったりしています。

 新しい自営、いろんなやり方がありそうな気がします。あれこれ探していきたいし、できれば実験もしてみたいものだと思っています。

参考
 新しい「肩書き」
 みんな自営のサラリーマン