3.11の大震災から一年。復興がなかなか進まない原因のひとつには、「ガレキ」の処理にめどが立たないことがあります。他県で受け入れに反対しているためです。ところが別な処理方法もあったんです。ガレキの移動しか解決策がないと思うのは「ちょっと待った!」です。
石巻のガレキ集積地の近くに住み、粉じん被害を蒙っているご婦人が、先日テレビで悲しそうに話していました。
「『絆』っていう言葉がとても軽く感じられてしまう。ガレキ受け入れ依頼をこんなにも拒絶され続けると」
私もそう思っていました。放射能が検出されないガレキなら何とかならないものだろうかと。
災害時、あんなに支援してくれて、ボランティアさんもいっぱい来てくれたのに、なぜ私たちが今本当に必要なことに対して拒絶ばっかりされるんだろうと。
でも昨日の朝日新聞のアンケートを見て「えっ?」と思いました。
他県の皆さんの大多数は、受け入れに協力したいと思っているんです。
で、それがどうしてそうならないのか?よくわかりません。
ふと数日前、facebookで受け入れ反対の方がこんな提案をされていることを思い出しました。
「瓦礫は地球に返し、防潮堤に―「命を守る300キロの森づくり」
このプランを紹介している方がこう書いています。
汚染瓦礫の拡散・焼却、それも人々の安全をまったく考えていない利権目的の汚い行為から、管理人は断固として瓦礫拡散・焼却を反対しています。
このような「金儲け目的」「危険があるのに無視」する「瓦礫拡散焼却」という横暴な行為は許せず断固反対でしたが、このような利権目的&安全無視という「汚い目的」ではなく、震災で出た瓦礫を「人々の命を守るための防潮堤の森を作ろう」と提案し、活動している方がいらっしゃいます。
なるほど、反対している方々も、ただ怖い、いやだ、ということではないんだ。もう一つのプランを提案しているんだ、ということを知りました。
そういえば、このプランは前にも見たことがある、と、昨年4月3日の河北新報の記事を思い出しました。
私は当時、大変いい案ではないかと思って、みんなの独創村の「しゃべりんぐ喫茶」に投稿していたのでした。
2011.4.3 ノボ村長
このプランなら震災復興に希望が持てそう!今日の河北新報にとても希望を感じる記事がのりました!
とても斬新な震災池の復興案です。関西大学大学院の河田教授(巨大災害、危機管理)が政府に提言したプランです。
(新聞記事全文はこちら→gareki2.jpg )
ガレキを撤去せず、ガレキを利用してその上に人工地盤をつくり、その高台の上に住宅地を建てるというのが基本なんですが、被災地の環境に合わせて3種類のプランが用意されています。
しかも高台の下には巨大な貯水空間をつくり、夏の冷房や冬の消雪にも利用するというアイデアも入っています。
これだとガレキ撤去も不要だし、巨大な防潮堤も不要で復旧も早く、住民が元の土地で、元の漁業にも従事できるようです。
具体的なイラストもあるのでとてもわかりやすい!この記事を読んでわくわくしてきました。
わたしはさらに、防風林エリアには風力発電機も設置し、建物や建造物にはすべて太陽光発電などをつけて、この地域の何割かのエネルギーをそれで賄うようにすれば、未来につながるモデルエリアにできるとおもいました。
アイデア、つまり独創こそが問題を解決する。
その独創は人に安全で、未来に対しても幸せをもたらすものでなくてはいけない。この意味からすれば、原子力の利用は独創ではない。
最も怖いことは、達成可能なアイデアは無限にあるはずなのに、二者択一の罠にはまり、豊かなアイデアの源泉をみづからの手で封じ込めてしまう事だと思います。
これらの案を知る人が少ないのはどうしてでしょう? さらにどうしてこれらの提案はだめなのでしょう?よくわかりません。
二者択一の罠に陥らないようにするには、考えることを人任せにせず自分自身で考えること、多様性を信じること、諦めないことなどが大事だと思います。